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「伊勢大湊の造船資料について
2017年1月18日 海友フォーラム第31回懇談会で講演のもの
鳥羽商船高等学校 名誉教授
日本船舶海洋工学会 造船資料保存委員会
伊藤政光

                    「伊勢大湊の造船資料について (18ページ, pdf 4.2MB)


 伊勢市大湊町は伊勢市北部の宮川、勢田川、五十鈴川河口のおおよそ東西2km、南北1kmの三角州に位置する。 古来より造船の地として栄え、明治期以降も多数の造船所が操業していたが、現在では造船業を営むのは1社のみとなっている。 その中で市川造船所は元禄15年(1702)創業とされ、昭和53年の倒産までの間、多数の船舶を建造し、その中には日本造船史においても特筆される船舶も含まれる。

 同社に残った貴重な造船資料は廃棄、焼却される恐れがあったが、旧市川造船関係者、造船資料調査のために同地を訪問した故野本謙作大阪大学名誉教授らの努力により、平成26年4月に旧市川造船労組より伊勢市に寄贈された。 全部で6万余点にもおよぶ膨大な資料であり、その調査はまだごく一部しかなされていないが、資料の概要と、主要な建造船のいくつかについて紹介する。

           目 次 
 1. はじめに
 2. 伊勢大湊の造船業について
 3. 旧市川造船所造船資料の概要
 4. いくつかの代表的建造船について
   4.1 松阪丸 (日本初の国産洋式帆走貨物船)
   4.2 富士丸 (日本初の発動機付き漁船)
   4.3 忍路丸(義勇和爾丸) (北大水産学部の練習船「おしょろ丸」の初代)
   4.4 第二報效丸(開南丸) (白瀬中尉の南極探検船「開南丸」の前身)
 5. おわりに

           参考文献
  /1/ 松本好三:大湊造船沿革史、松本好三、1913年
  /2/ 市川造船所:模型「日本丸」の概要と文献、市川造船所、1937年
  /3/ 伊勢市:伊勢市史第四巻近代編、伊勢市、2012年
  /4/ 長屋好子:大湊の造船所(江戸から昭和)、大水門会、調査継続中
  /5/ 西田善男:明治初期における三重県の外語学校、三重県郷土資料刊行会、1972年
  /6/ 造船協会編:日本近世造船史明治時代、明治百年史叢書、原書房、1973年
  /7/ 三重県立伊勢工業高等学校:七十年史、三重県立伊勢工業高等学校、1968年
  /8/ 小林茂夫:木造漁船民俗史話、自費出版、2002年
  /9/ 橋本徳壽:日本木造船史話、長谷川書房、1952年
 /10/ 大内健二:特務艦艇入門、光人社NF文庫、2013年
 /11/ 日本舶用発動機会編:日本漁船発動機史、日本舶用発動機会、1959年
 /12/ 上野喜一郎:船舶百年史、船舶百年史刊行会、1958年
 /13/ 大日本少年団聯盟編:義勇和爾丸の一生と海洋少年団の発達、大日本少年団聯盟、1939年
 /14/ たとえば、浦田太一郎:義勇和爾丸の航跡、自費出版、1980年
 /15/ 南極探検後援會:南極記、南極探検後援會、1913年
 /16/ 豊田穣:北洋の開拓者 郡司成忠大尉の挑戦、講談社、1994年
 /17/ 野村直吉船長航海記出版委員会編:南極観測船「開南丸」野村直吉船長航海記、成山堂書店。
     2012年
 /18/ 白瀬矗:南極探検、博文館、1913年