日本船舶海洋工学会東部支部では、海事産業に関わる若手世代の親睦を深め、海事産業にまつわる情報共有や問題意識の啓発を図るため、例年若手研修・意見交換会を開催しております。
2011年に東日本大震災が起きる前までは、石油資源に変わるエネルギーとして原子力発電が有望視されていましたが、福島の原子力発電所の事故のために、別のエネルギー開発を余儀なくされる事となりました。おりしも、地球温暖化を防ぐために二酸化炭素排出量を抑えていく機運が高まっていたことも相まって太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギー開発への期待が高まることとなりました。
これらのエネルギー開発に対する日本政府の対応は早く、2012年には国土交通省から「浮体式洋上風力発電施設技術基準」の策定や日本海事協会からは「浮体式洋上風力発電設備に関するガイドライン」が発行され、2013年には福島沖および五島沖にて実証研究が開始されました。
その後、商業化に向けた環境整備のために各種の制度および政策の策定を経て、2020年には我が国の国家目標として、時の首相である菅首相より「2050年カーボンニュートラル」が打ち出され、洋上風力発電を2030年までに10GW、2040年までに30~45GWの導入目標とすることが発表されました。
我が国は、承知の通り海に囲まれており洋上風力発電を導入する場所は、無数に存在すると思われがちですが、漁業域や船舶の航路を回避したり、近隣住民の騒音対策などに配慮したりしながら、コストに見合った設置場所の選択をする必要があり、現在はこれらの諸問題に対処しつつ、目標を達成するため官民が一体となって頑張っております。
そういった中で2050年の数値目標に向かって、海事産業従事者の方々も今後洋上風力発電に関わる方も多く出てこられるかと思います。
太陽光発電とならび風力発電はエコで環境にやさしいなど漠然と知っておられる方は多いと思いますが、洋上風力発電に関してもう一歩踏み込んで、法令を初め風力発電に対する日本沿岸域の様子や風力発電設備に対する技術的な諸問題を把握し、洋上風力発電に対して様々な意見が言えるようになる一つのきっかけとなればよいと考えて、本年度の研修先として、「促進区域」に指定された4海域のうちの一つである銚子沖風力発電を選びました。
研修では、まず稼働中の洋上風力発電設備および今後建設予定の洋上風力発電設備建設予定区域について説明を受け、洋上風力発電の技術に関する知見を広めていただきます。
次に意見交換会として、講師の先生から洋上風力発電について、法令から設置に関する諸問題について説明をいただいた後で、今後の洋上風力発電の運用に関する改善案について討論をしていただきます。
その後銚子海洋研究所の保有する船で沖合約3km地点にある風力発電設備を船上から間近で視察する事を考えています。若手の皆様の積極的な参加をお待ちしております。
講師候補:東京電力リニューアブルパワーまたはC-COWS[銚子協同事業オフショアウインドサービス]どちらかの職員の方を予定しております。
令和6年3月1日(金)12:45~17:00
銚子洋上風力発電
学生:無料(学会員、非会員ともに)
社会人
・学会員および非学会員で賛助会員の企業・法人の社員の場合:5,000円
・非学会員(上記以外):10,000円
海事業界に関連する業務を行っている若手の方
15名程度
参加ご希望の方は、下記必要事項を明記の上、2024年2月15日(木)までに学会事務局までお申し込みください。
参加対象者については東部支部運営委員会にて申込者の中から選考を行い、人数調整をさせていただきます。参加対象者の決定後に最終案内と共に各参加者へ通知致します。
見学に際して、一週間前からの健康チェックシート(体温や諸症状の有無)の記入をお願いすることになりますが、ご理解下さいますようお願いいたします。
日本船舶海洋工学会 東部支部 事務局
TEL 03-3438-2014, 2015 FAX:03-3438-2016
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