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会長メッセージ

日本船舶海洋工学会 会長
柏木 正
日本船舶海洋工学会 会長
柏木 正

このたび、120年の歴史を持つ伝統ある日本船舶海洋工学会の会長職を、原 壽 前会長から引き継ぐことになりました。会長という職は私には全く経験が無く、この重責を務められるだろうかと自分でも心配しておりますが、特に根拠も無く「何とかなるだろう」という気持ちで居ります。非力を自覚している私がこの職を引き受けることになったのは、関西地区の大学関係から会長を出すという巡り合せだったということも有りますが、私自身、ほぼ40年間お世話になっているこの学会への恩返しを少しでもしなければいけないと感じているからです。学会の歴史が120年ということは、その3分の1の間、私はこの学会でお世話になり、育ててもらったということです。120周年記念式典を終え、新たな船出をする船舶海洋工学会としての現状は非常に厳しいものがあります。造船会社からは急激な受注の減少による「損失処理」、あるいは「事業撤退」という言葉が聞かれ、大学関係も若手研究者の不足や多忙など、楽しい話があまり有りません。そのような厳しい状況ですが、何とか知恵を出して学会活動を活性化し、学会が元気になることによってこの状況を改善しなければいけないというのが、今期執行部に求められていることです。

私は、アカデミアの立場から学会を見ることがどうして多いのですが、学会の活性度を示すバロメータは、やはり学会講演論文の質と量、和文及び英文論文集への投稿論文数、さらには国際会議での日本人研究者の活躍振りなどだと思います。その観点でみると、正直って今はあまり宜しくない状況だと認識しています。私が学生だった頃、あるいはまだ若手研究者だった頃は、日本造船学会から出てくる論文は世界から注目されていたし、世界に冠たる有名な諸先輩が多く居りましたが、最近は国際会議に行っても「過去の栄光は何処に」という状況です。日本に対する学術的に高い評価を取り戻すことに学会として努力しなければいけません。そのためには、「若手人材の育成」「国際化」「学会論文集の充実」などに取り組まなければいけないと考えております。

若手人材の育成については、まずは、大学院博士課程への進学者を増やすことです。そのためには、大学だけの努力では限界があります。大学と企業との共同研究を通じて学生に奨学金あるいは研究費を支援するとともに、優秀な学生は共同研究の企業がそのまま採用するという、若手育成における産学連携体制が是非とも必要です。自分のことしか考えないというような狭量な考え方では、母体基盤である学会自体が潰れてしまいます。

また国際化に関しては、国際会議あるいは国際レベルのシンポジウムやセミナーの積極的な誘致・開催を行い、学生を含めた若手研究者に国際レベルを体感させること、質の高い論文で勝負できるようにすることが必要です。学会講演会での英語でのセッションも復活させて先端的研究に関する海外からの講演も意識して招待すること、そのために学会講演会の内容もより魅力ある面白いものにすることが必要です。若手研究者に海外経験を豊富に積ませなければ学会の国際化は有り得ません。在外研究や国際共同研究を学会として更に支援することも必要です。

また、学会論文集の充実に関しては、まずは各分野の研究会会長にオーガナイズド・セッションを積極的に企画して頂き、講演論文を質の高いものにすること、また講演したままでほったらかしにするのではなく、講演論文の中から質の高いものは、学会の和文・英文論文集への推薦をセッション・オーガナイザーが積極的に行うこと、その手順をしっかり作ることが必要です。

学会が学術的に元気でなければ、若手研究者も育たない、学生も集まらない、船舶海洋関係へ就職する学生も居なくなるという悪循環に陥ると懸念しています。いろいろなアイデアを出しながらそれらを着実に実行し、産学官公が協力してwin-winの関係を築いていくことが必要です。「言うは易く行うは難し」かもしれませんが、行動を起こすことが何よりも大事だと思っています。困難な課題ばかりではありますが、魅力ある学会を創るために、皆様にも積極的に参加して頂きたく、お願い申し上げる次第です。2年間という任期はあっという間に過ぎるかもしれませんが、非力ながらも努力する所存ですので、ご協力・ご鞭撻のほど、どうか宜しくお願い申し上げます。

かしわぎ まさし
日本船舶海洋工学会 会長 柏木  正
(大阪大学)

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