100年以上の歴史を誇る大阪―別府航路。3代目「くれない丸」は「瀬戸内海の女王」として愛された。その名を継ぎ2023年に就航した日本初のLNG燃料フェリー「さんふらわあ くれない」。世代を超えて船旅を楽しむ「カジュアルクルーズ」という新しい船旅を体験できる。また、LNGを燃料とすることでCO2排出を約25%削減、SOxは100%、NOxは約85%削減が見込まれる。
伸縮及び回転機能を有する硬翼帆を搭載し、風力を推進力として直接利用することで大幅なGHG排出量の削減を実現した。港内や輻輳域では視界確保ができ、荷役時は荷役機器と干渉しない角度で固定できる。これにより帆がない船と同様の安全性を確保し、従来船と同様の運用を可能としている。また、帆を最適な状態に維持する制御装置や最適航路を提案するWeather RoutingSystemなど、運用のための付帯装置も開発し実装している。
大容量リチウムイオンバッテリーを動力源とする世界初のピュアバッテリータンカーで、排出されるCO2、NOx、SOx、煤煙等のゼロエミッション化を達成し環境負荷を低減するとともに、騒音・振動を抑えることで労務環境の改善と港湾周辺環境に配慮した船舶となっている。また、内航タンカーとしては初のタブレットによる自動荷役システムの採用、小型内航船としては初のインテグレートブリッジシステム、デザイナーによる居住区・外装のデザインの採用により、さらなる労務環境の改善を達成している。
2015年就航の「なとり」をベースに、垂直バウやゲートラダー・システム、流線型煙突、フル電子制御エンジンなど新機軸を採用することでより一層の省エネ運航を可能にした。また近年問題になっている内航船員の後継者不足に対して、女性専用区画を含む21室もの船室と研修室を設け、10人の研修生が同時に乗船できるようにすることで自社での船員育成を行うことを可能とした。
練習船機能、最新の海中・海底測器による探査・観測機能、災害対応機能を備えた多機能練習船である。海底探査機能としては水深2,000m以浅の海底および海底下浅部に高分解能持つ海中・海底測器を導入しており、この範囲では世界一の探査性能を有する。また、ヘリコプター援用型の物資輸送が可能であるなど特徴的な災害支援機能を有する。斬新な外観も特徴である。
九州近海を運航する砂利採取運搬船で「船舶の安全性向上」「船員の負担軽減」等を考慮した船舶のDX化等の取り組みを実施。陸上から船舶の機関状態の監視を可能とする次世代機関状態監視システムの開発や状況認識システム「グローク・プロ」の搭載、オペレーター不足解消のためバックホウ式荷役装置を採用等、最新技術を活用したDX化に着手、船員の働き方改革にも寄与する船舶としての活躍が期待されます。
タグボートとして国内初のリチウムイオンバッテリーと発電機を組み合わせた連続型ハイブリッド電気推進システムを採用。DCグリッドを搭載し高効率を達成。また、PMモーター及びL-Drive型アジマススラスターを装備することで推進装置の効率改善も図った。加えて竣工後の運航データを遠隔監視装置により収集解析し、制御プログラムをアップデートすることでさらに効率を高めている。
研究用に試作したUUV(Unmanned Underwater Vehicle:水中無人機)。複雑かつ多岐にわたる任務が期待される将来のUUVの実現のため、多目的化及び効率的な能力向上を可能とすべく、船体、構成機器及びソフトウェアがモジュール化されている。また、長距離進出・長期運用能力の獲得のため、信頼性・環境適応能力を向上させるべく、故障等の内的異常や潮流等の外的環境に対応する自律機能を備えている。