日本船舶海洋工学会 ふね遺産認定実行委員会
歴史的で学術的・技術的に価値のある船舟類およびその関連設備を「ふね遺産」(Ship Heritage)として認定し,社会に周知し,文化的遺産として次世代に伝えるため,公益社団法人 日本船舶海洋工学会が発足させたふね遺産認定事業も今年で第8回を迎えました。
令和6年6月17日にふね遺産審査委員会が開催された後、WEB会議等を重ね、第8回ふね遺産認定案件として下記3件を決定しました。
ふね遺産審査委員会委員(順不同,敬称略)は次の通りです。
第8回認定案件 | 認定書及び認定プレート贈呈先 |
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潜水艇「はくよう」
大陸棚(水深200~300m)開発のための有人潜水作業船の第一船 |
鹿児島県鹿児島市 |
世界一周ヨット「海連」 今給黎教子氏による日本人女性初の世界単独一周に用いられたヨット |
今給黎教子氏 |
捕鯨船「第十六利丸」 戦後最盛期の捕鯨船団を構成した現存する大型高速キャッチャーボート |
宮城県石巻市 |
昭和46(1971)年、川崎重工業(株)神戸造船事業部で建造された。42年間現役で運航され、潜航回数は8134回、しかも無事故と際立った記録を残している。それまでダイバーやROVが一般的であった海底調査や実験などを、乗艇して直接行うことができるようになった。その後の潜水艇「しんかい2000」などの乗船訓練にも使用された。
最大使用深度 | 300m |
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乗員数 | 3人(最大) |
全長x幅x深(m) | 6.405 x 1.740 x 2.895 |
速力 | 約3.5kt(最大) |
空気清浄能力 | 48時間(於最大乗員時) |
平成3(1991)年から平成4年(1992)年にかけて、日本女性で初めて単独無寄港世界一周航海を成し遂げたヨットで、日本のセーリング文化や海事思想の普及に多大な影響を与えた。また、女性の体格に合うデッキレイアウト変更も行った。 主要目は次のとおりである。
全長 | 10.64m |
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全幅 | 3.5m |
重量 | 5t |
マスト高 | 14m |
喫水 | 1.8m |
捕鯨船「第十六利丸」は捕鯨母船を中心とした事業船団で使用された、キャッチャーボートとしては現存する2隻のうちの1隻であり、大型高速捕鯨船の一番船として、下関市の林兼造船(株)で昭和33(1958)年に竣工した。大洋漁業(株)、日本共同捕鯨(株)、日本捕鯨(株)において使用された。船首を極端に高くした独特の船型を有する。
全長68.40m、型幅9.90m、満載喫水4.40m、NK第3種漁船
林兼製2サイクル単動無気噴油式ディーゼル機関1基
連続最大出力(BHP):3,500HP
満載航海速力約16.00ノット