

共催:日本船舶海洋工学会関西支部・関西船舶海洋流体力学研究会(KFR)、
大阪公立大学工学研究科海洋システム工学分野
協賛:日本マリンエンジニアリング学会・日本航海学会
戦前の日本における船舶操縦性能に関する研究は、軍艦の旋回径や転心を推定することに重きが置かれていたと考えられます。戦後、Davison&Schiffの研究を端緒に、座標系の原点を重心においた、現在の形のような運動方程式が日本でも用いられるようになりました。流体力の表現方法としてはTaylor展開型のものが早い時期から用いられていたようですが、船舶建造に直接役立つ形のモデルとして、小川らにより考えだされたのがMMG(Maneuvering Modeling Group)モデルです。MMGモデルは実用的であり、急速に研究が進展。その結果、日本の造船会社や研究機関で操縦運動の検討に際し、必要不可欠なものとなりました。最近では、自動運航に関する関心の高まりを背景に、改めてMMGモデル、そしてその中でも低速操縦モデルにスポットが当たっているようにも思います。MMGモデルは実用的精度でのシミュレーションが可能な反面、やや複雑であり、設計現場サイドのエンジニアにとっては理解に時間を要するものとも聞いています。そこでこのシンポジウムでは、MMGモデルがなぜ作られたのか、どうしてそのようなモデルが必要だったのか、という観点からMMGモデルを眺め、その本質に迫ります。また、MMGモデルは様々な発展を遂げているため、開発された様々な手法や理論などについて、現在の操縦性研究の第一線で活躍する研究者・エンジニアに、多種の観点から講演をしていただきます。
また、現在国際会議において、従来推進システムに加え、ポッド推進やウォータージェット等の非従来型推進システムのIMO操縦性基準改正について議論されており操縦性理論への注目が高まっています。多くの方々にご参加いただければと思います。
関西支部研究委員会委員長 折原 秀夫
関西船舶海洋流体力学研究会(KFR)会長 古池 健太
2025年12月16日(火)9:20~
※時間は若干変更となる可能性があります。
大阪公立大学 I-siteなんば 会議室C2+C3
※タイトル、講演順序は講演者の都合により今後、変更となる可能性があります。
折原 秀夫 氏(関西支部研究委員会委員長,ジャパン マリンユナイテッド株式会社)
高品 純志 氏(日本海事協会)
MMGモデルができた時代(1970年代、80年代)の造船業界や操縦性研究の状況を振り返り、当時の研究で得られた成果を復習する。また、その後の操縦性研究に果たしたMMGモデルの役割を、モデルの構成から考える。
古川 芳孝 氏(九州大学 工学研究院 海洋システム工学部門)
浅水域を航行する船舶の操縦運動特性は深水域におけるそれとは大きく異なる。ここでは、浅水域における操縦運動推定のために提案された数学モデルならびに数学モデルに含まれる各種流体力係数を推定するための手法等について紹介する。
岸本 隆 氏(常石造船昭島研究所株式会社)
IMOでは2032年の新基準発効を目指し、現行の操縦性基準の見直しに向けた議論が進められている。本講演では、性能要件の改定を含む検討状況や今後のスケジュールの概要を紹介し、議論の背景や国内関係者への影響についても説明する。
佐野 将昭 氏(広島大学 大学院先進理工系科学研究科)
有限水深、水路幅を有する制限水域を航行する船舶は、大洋航行時には無縁な現象に直面する。本発表では、運河を走る船を模擬した水槽試験結果の紹介を通じて、制限水域で船が直面する操縦性に関わる諸現象を紹介する。またMMGモデルによる保針運動シミュレーションの計算例を示す。
北川 泰士 氏(海上技術安全研究所 流体性能評価系)
外力モデルの内、舵力モデルの定式化及びモデル内係数の取得方法について説明する。加えて、操縦運動シミュレーションの検証データ取得や実船操縦運動推定のために実施されてきた自由航走模型試験について、近年に開発された模型試験法を幾つか紹介する。
谷口 拓也 氏(ジャパン マリンユナイテッド株式会社)
船舶の操縦性能を把握するためには、通常、模型試験やCFDなどによる詳細な検討が必要とされるが、設計初期段階に限られた情報から素早く性能を予測するニーズも高い。本発表では、主要目データをもとに操縦運動モデルの係数を推定し、実用的な操縦運動シミュレーションを行う手法について、これまでになされた研究事例とともに紹介する。
伊藤 誠 氏(日本海事協会)
自動運航船の社会実装においてシミュレーション技術の活用が注目されている。そこで、自動離着桟を含む操船制御システムの安全性評価に用いる操縦運動モデルについて、その要件や具体的な数学モデルを説明する。
牧 敦生 氏(大阪大学 大学院工学研究科)
MMGモデルには数多くの操縦流体力微係数等が含まれている。そこで、実運航データからこれらの係数の逆推定やチューニングする技術について説明する。その上で、この技術が持つ将来性や展望に加え、問題点や課題についても紹介します。
安川 宏紀 氏(広島大学 大学院先進理工系科学研究科)
自由航走模型試験やシミュレーション計算結果を基に、規則波中におけるばら積み船の旋回運動特性について述べるとともに、波浪中旋回運動時に起こる航跡のドリフト現象の発生理由を理論的に解明する。
片山 徹 氏(関西支部支部長、大阪公立大学 大学院工学研究科)
会場:YEBISU BAR The Grill なんばCITY店
開始時間:17時半~
懇親会参加費
12月10日(水)までに下記の「参加申込みフォーム」よりお申込みください。ご登録のメールアドレスに会場のURL等をお知らせします。

※領収書をシンポジウムと懇親会を分けたい場合は上記フォームではシンポジウムのみ申込してからこちらで懇親会参加費をお支払いください。

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