三菱重工業(株)インダストリー&社会基盤ドメイン船舶・海洋事業部下関技術部外艤設計課 大西 星輝
平成29年10月31日に竣工しました国立研究開発法人水産研究・教育機構 水産大学校殿向け漁業練習船「天鷹丸」の概要について紹介します。
「天鷹丸」は昭和60年竣工の漁業練習船「天鷹丸 (第3代)」及び、昭和56年竣工の漁業調査船「みずほ丸」の代替船として建造されました。水産大学校の漁業練習船としての人材育成機能に加え、海洋調査・研究機能を併せ持つことにより、洋上教育研究施設としての活躍を期待されています。
基本構造は上甲板上に三層の甲板室を有する船首楼付全通船楼船 (二層甲板型) であり、船首バルブ及び船尾スリップウェイを有します。ディーゼル主機関と発電機兼補助推進電動機を組み合わせた複合推進システムを装備することにより、漁業・海洋調査に適した高度な操船が可能となっています。
本船の主な特色は以下のとおりです。
トロールウインチは操舵室後方より操作することができ、作業環境の改善及び省力化を可能としています。また、延縄装置は作業台を取外し式とし、他の操業及び観測に支障が生じない構造としています。
CTD用ウインチは動揺補償付DDVCウインチとし、嵌脱装置と合わせて安全かつ精度の高い海洋調査が可能となっています。
大西 星輝
三菱重工業(株)インダストリー&社会基盤ドメイン船舶・海洋事業部下関技術部外艤設計課
鉄艤設計