西部支部メールマガジン第77号
新造船紹介250,000DWT型鉄鉱石専用運搬船「CAPE HAYATOMO」
(株)名村造船所船舶海洋事業部設計本部基本設計部計画設計課 古賀 大地
50,000DWT型鉄鉱石専用運搬船
「CAPE HAYATOMO」
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当社は2017年5月11日、伊万里事業所で建造していた250,000DWT型鉄鉱石専用運搬船「CAPE HAYATOMO」を引渡しました。本船は、当社主力商品である西豪州港湾対応の最大船型250,000DWT型鉄鉱石専用運搬船 (WOZMAX®) を近年の市場要求に追従すべく、顧客ニーズの調査を行い、第一世代WOZMAX®の仕様見直しに加え、省エネ化を課題とした新しい開発コンセプトを以ってフルモデルチェンジした第二世代WOZMAX®の第1番船となります。
- 西豪州主要3港への配船に最適な船型であり、18m喫水で載貨重量25万トンを確保している。
- 7ホールド7ハッチにて計画しており、ホールドとハッチの数を同数とすることで、積付の煩雑性の改善を図っている。また、ホールド数を増やすことで複数種の鉱石積が可能となり、積付の汎用性が向上されている。
- 最新の国際条約の要件を適用した最新鋭の船型であり、推進性能や操縦性能を考慮しつつ船首形状最適化による実海域性能をバランスさせた船体形状としている。
- 当社独自開発のNamura flow Control Fin (NCF)、舵付きフィン (Rudder Fin)、舵下端フィンを装備し、舵断面形状はホロー型を採用するなど、推進性能の向上と共に燃料消費量の低減を図っている。
- 居住区形状は、居住区前方の両端角を落としており、実海域における風圧抵抗低減を図っている。
- 港湾内の汚水排出規制を考慮し、生活排水や雨水およびホールド洗浄水の船外排出を適切に管理すべく、汚水等の貯蔵タンクを装備している。
- 主機関および主発電機関には、IMO MARPOL Annex VIに適合した低NOx機関を採用しており、更に低硫黄燃料油対策を考慮したFOタンク配置やエア式船尾管シール装置を採用し、環境に配慮した構成としている。
- 機関部冷却システムには、セントラル清水冷却方式を採用し、船内メンテナンス作業の低減を図っている。
- 本船は機関室無人化規則を満足する自動化設備・遠隔操縦設備を装備している。また、機関制御室には、機関室監視警報装置として2台のLCDモニタを装備しており、推進装置およびその他主要な補機類の状態の常時監視を行っており、省力化・安全性向上を図っている。
- バラストタンク新塗装性能基準 (IMO PSPC-WBT 規則) を適用し、バラストタンクの腐食防止に努めることにより、船舶の安全性を高めている。
- IMO承認に基づくバラスト水処理装置を搭載しており、バラスト水の水質を制御することで海洋環境の保護に努めている。
主要目
- 全長
- 329.95m
- 型幅
- 57.00m
- 型深さ
- 25.60m
- 載貨重量
- 250,460t
- 主機関
- MAN B&W 6G80ME-C9.5
- 定員
- 28名
- 船級
- 日本海事協会 (NK)
- 船籍
- Panama
古賀 大地
(株)名村造船所船舶海洋事業部設計本部基本設計部計画設計課
船体計画