常石造船(株)設計本部商品企画部総合設計グループ 張 果
試運転中の本船
[拡大画像]
2018年3月27日に当社常石工場にて竣工・引き渡しを行ったアフラマックスタンカー "M.T. SOUTHERN REVERENCE" を紹介します。
本船はDW 108,500MT型のクルードオイルタンカーであり、カーゴオイルタンクの構成はCOT×6、SLOP×2、RESIDUAL×1となっています。カーゴ容積は約12万8千m3であり、クルードオイルタンカーの運航に必要な大容積を確保しています。
3種類の貨物を積載可能とするために貨物移送管は3つのグループに分かれており、各グループ間は異種貨物の混合防止を目的として2台のバルブで隔離しています。荷役設備としては、蒸気タービン駆動の自動浚え装置付カーゴポンプを3台(各3,000 m3/h)とカーゴストリッピングポンプ1台を独立したポンプルームに設置しています。
また、日本郵船グループ会社の株式会社MTIと共同で開発した、プロペラ前部に取り付ける複数の翼型構造物「MT-FAST」(平成30年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞)を搭載し、プロペラに流入する流れを整えることで推進効率を向上させています。
さらに、プロペラ効率を極限まで高めるために「TOP-GR (Tsuneishi Optimized Propulsive Gear)」テクノロジーを採用しました。コンピュータによる緻密な計算とシミュレーションによって、翼数、直径、翼断面の形状、翼幾何分布を細部に至るまで最適化設計し、高効率・低振動の省エネ型プロペラを実現しました。
最後に、本船型開発時の基本コンセプトである三つの "FITs" を紹介します。
張 果
常石造船(株)設計本部商品企画部総合設計グループ
基本設計