広島大学大学院工学研究科輸送・環境システム専攻 濱田 邦裕
造船科を起源とする広島大学の輸送機器環境工学教室は、これまで建築や土木と同じ工学部第四類 (建設・環境系) に所属していました。平成30年度の改組で機械系と一緒になり、新たに第一類 (機械・輸送・材料・エネルギー系) の一員として再出発しました。
新しい第一類では、機械工学に関する先端的な要素技術とシステム統合化技術の双方を習得した技術者を育成することを目的としています。ここでは新しい第一類を簡単に紹介します。
広島大学工学部には第一類 (機械・輸送・材料・エネルギー系)、第二類 (電気電子・システム情報系)、第三類 (応用化学・生物工学・化学工学系)、第四類 (建設・環境系) の四つの類があります。それぞれの学生定員は、150、90、115、90で、我々が所属する第一類は工学部全体の1/3を占める最大のグループになります。
我々の輸送システムプログラムの定員は150名中45名で、この数字は改組前から変更はありません。ところで、平成30年度より広島大学では全ての類に進学することが可能な工学特別コースを新設しました。第一類の定員150名の内、工学特別コースからの進学者は15名になります。
第一類では、一年次から二年次前期までは、総合的・基礎的な共通の科目 (語学などの教養的教育科目、数学・力学などの専門基礎科目) を履修します。二年次前期までは第一類全体で共通の教育を行います。そして、二年次後期以降は、四つの教育プログラム (輸送システムプログラム、機械システムプログラム、材料加工プログラム、エネルギー変換プログラム) の中から一つを選択し、より専門性の高い科目を履修します。
四年次には、研究室に配属され、卒業研究に取り組むことになります。我々の輸送システムプログラムは、改組前と同様に大規模なシステムを意識した独自の教育プログラムを提供しています。また、就職についても旧機械系とは分離し、独自性を持った就職支援を行います。
図1 第一類の教育について
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平成30年度の広島大学前期試験において、第一類の実質倍率は2.75倍でした。改組前の平成29年度の第一類の倍率が2.58倍、第四類の倍率が2.17倍でしたので、改組前と比較して倍率が向上しています。また、今夏に高専や他大学から3年次に編入する編入学試験を改組後初めて実施しましたが、合格者の6割が輸送システムプログラムを第一希望としていました。
以上のようにこれまでのところは比較的順調な滑り出しとなっています。ところで、改組後初めてのプログラム分けが間もなく実施されます。四類に所属していた時は多くの学生が建築を希望していましたが、今回のプログラム分けでは (下馬評では) 我々のプログラムも比較的人気があるようです。今回の改組が我々にとって良い変化になることを期待しています。
濱田 邦裕
広島大学大学院工学研究科輸送・環境システム専攻
船舶設計・生産システム