Japanese
メニュー
メールニュース
ホーム > メールニュース > 西部支部メールマガジン第86号 > 新造船紹介:3,999 DWT 溶融硫黄運搬船

西部支部メールマガジン第86号

新造船紹介:3,999 DWT 溶融硫黄運搬船

(株)新来島どっく技術設計本部基本設計部開発・知財課 森田 賢史

海上試運転中の本船
海上試運転中の本船

2019年3月13日、当社グループの新高知重工(株)にて3,999 DWT溶融硫黄運搬船を引渡しました。

溶融硫黄は、IBC CODEに規定された危険物であり、130℃~140℃に加熱溶融された状態で運送されますが、155℃を超えると粘度が急激に高くなり、160℃を超えると流動性をほとんど失うため、適正な温度管理が重要となります。本船のカーゴタンクには熱媒油によるヒーティング装置を設けています。

また、溶融硫黄生成の過程で発生するガスには硫化水素が大量に含まれており、このガスが水分と反応して腐食性の高い希硫酸になるという特徴も持っています。運搬中はタンク内気相部の硫化水素ガス濃度を下げるために強制通風させる必要があります。溶融硫黄運搬船において通気機能は非常に重要であり、硫黄結晶等によって通気機能が失われると、異常圧力によりカーゴタンクの損傷を引起す恐れもあります。

カーゴタンクは重力式独立型タンクであり、温度管理の一助としてタンク周囲は全面に防熱を施しています。先述の通り、溶融硫黄は温度管理が重要であるため、ベント管や荷役管・測深管・バルブ等にも強制加熱を行い防熱も施しています。

カーゴタンクの下部は、樹脂製のボードを介し、台で支持しています。これまでの当社建造の独立タンク搭載船において、タンク下部に断熱性の高い石膏ボードを採用していましたが、航海中の衝撃によりこれらの石膏ボードが割れることが一つの問題として挙がっていました。本船では、樹脂製ボードを採用することにより、その問題解決を図るという新たな試みも取り入れています。

本船の主要目

全長
99.12 m
14.50 m
深さ
7.60 m
満載吃水
5.879 m
載貨重量
3,999 t
総トン数
2,987
主機関
赤阪 A38S
最大出力
2206 kW×250 min-1
航海速力
約13.0ノット
船級
NK
船籍
PANAMA
定員
18名

森田 賢史
(株)新来島どっく技術設計本部基本設計部開発・知財課

  • Photo Gallery
  • Ship of the Year
  • ふね遺産
  • デジタル造船資料館
  • アフターコロナ禍特別検討委員会報告会

広告 [広告掲載のご案内はこちら]

会員ログイン
新着情報一覧はこちら
学会へのアクセスはこちら
ページの先頭へ戻る

〒105-0012
東京都港区芝大門2-12-9
  浜松町矢崎ホワイトビル 3階 [交通アクセス]

TEL:03-3438-2014 / 2015
   FAX:03-3438-2016
   [事務局へメールする]
ページの先頭へ戻る