(株)新来島どっく技術設計本部船型研究所 小林 正幸
旧今治市と周辺の11町村が合併して現・今治市が誕生してから、まもなく15年になります。時が流れるにつれて、今治市中心部に注目が集まり、次第に旧各町村の印象が薄れていくように感じています。そこで今回は、当社大西工場の所在地である大西町について紹介したいと思います。
大西町は旧今治市の西隣に位置する人口8300人ほどの小さな町です。昭和30年に当時の越智郡大井村と小西村が合併して誕生しました。大井村と小西村も、明治期にそれぞれ5つの村、4つの村が合併して出来たそうです。これら9村の名前は、現在も大字として地名に残っています。大西工場の住所にある「新町」も、合併で大井村になる前の「新町村」の名前を継承したものです。
大井村があった大西町東側からは古墳がいくつか発見されています。中でも妙見山古墳は国の史跡に指定された前方後円墳で、意外と歴史のある地域であることが分かります。
大西町には10以上の神社があり、その多くで例祭の日が5月の第3土曜日または日曜日となっています。その為、春になり祭りの日が近づくと、町内各地に太鼓を練習する音が響き渡ります。
今回特に紹介したいのが大字九王の龍神社に伝わる船上継獅子です。人の上に人が乗り演技をする継獅子と呼ばれる獅子舞を不安定な船の上で披露するものです。今年は四継ぎを成功させたそうですが、神社の案内には五継ぎまで書かれていましたので、かつて誰か成功したことがあるのでしょう。
残念ながら現在の龍神社は平成4年に台風の被害を受け、その後再建されたものですが、海上に浮かぶ鳥居と、その奥に鎮座する社殿の眺めは一見の価値があると思います。
あらためて調べてみると、大西町について知らなかった興味深いことが沢山あることに気付かされました。機会があれば、またあらためて紹介したいと思います。
まとまりの無い記事になってしまいましたが、ここまで読んでくださった皆様に感謝します。
小林 正幸
(株)新来島どっく技術設計本部船型研究所