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西部支部メールマガジン第88号

関門海峡のご紹介 〜航路の特色について〜

三菱造船(株)マリンエンジニアリングセンター下関設計部計画設計課 横田 大武

下関地域全景
下関地域全景

関門海峡航空写真 (関門海峡ミュージアム展示)
関門海峡航空写真 (関門海峡ミュージアム展示)

関門海峡の潮流 (関門海峡ミュージアム展示)
関門海峡の潮流 (関門海峡ミュージアム展示)

関門海峡ミュージアム
関門海峡ミュージアム

関門海峡は、九州の北端 (福岡県北九州市) と本州西端 (山口県下関市) との間に位置し、西の日本海・響灘 (外海) と東の瀬戸内海・周防灘 (内海) を結ぶ海峡です。

航路全長約50km、航路幅500〜2,200m、航路水深12mのS字状の狭く細長い水路で、古来、九州と本州、アジア大陸と我が国を結ぶ主要航路とされてきました。今では1日に約480隻 (2018年度) の船舶が航行しています。

また、交通の難所としても知られており、上記の通りその複雑な地形から、潮の干満の差は大きい時で周防灘側が約3.8m、響灘側が約1.5mとなり、この潮位差が海峡内の急潮流や複雑な潮汐を引き起こしています。国内で潮流が最も速い場所は渦潮で有名な鳴門海峡ですが、関門海峡は来島海峡に次いで3番目に速く、9knを超えることがあり、満潮時は西流れ (周防灘→響灘)、引潮時には東流れ (響灘→周防灘) となり、1日4回 約6時間毎に向きを変えます。

このように船舶の交通量が多く、操船が難しい海峡を安全に航行してもらうために海上保安庁が設置・運用している関門海峡海上交通センターがレーダーやAIS運用装置等を利用し、船舶の動静や安全に航行するために必要な情報を収集・整理して、航行環境を常時把握し、24時間体制で海峡を通過する船舶の航行管制を行っています。

また、海峡を航行する船舶に対して独自の航行ルールが定められており、例えば、海峡内で一番狭く潮流が速い早鞆瀬戸 (はやとものせと) を潮流に逆らって航行する場合は、潮流の速度に4knを加えた速力以上の船速を保たなければなりません。加えて、当該水路では他船の追い越しが禁止されています。

このような関門海峡の特色は、当社の建造業務にも密接に関係しています。例えば船台から進水させる際は、船体が安全に進水出来るように、潮高の高い満潮時を進水時間に設定nすることが多く、試運転などで当所岸壁から船舶を出入港させる際は、舵効きを考慮して潮流に逆らう時間帯に実施することが多くなっています。

最後に、関門海峡に面する門司港レトロ地区には関門海峡の歴史・文化・自然等を紹介している「関門海峡ミュージアム」が2019年9月にリニューアルオープンしています。館内の展望デッキからは関門海峡が一望でき、子供から大人まで関門海峡を楽しく学べるゾーンもありますので、是非一度御家族で足を運んでみてはいかがでしょうか。

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横田 大武
三菱造船(株)マリンエンジニアリングセンター下関設計部計画設計課
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