三菱造船(株)マリンエンジニアリングセンター下関設計部計画設計課 勝部 誠
2019年8月9日、当社下関地区江浦工場にて「ジュニア科学教室」が開催されました。この教室は毎年山口県内の小中学生を対象に山口大学・山口県教育委員会・やまぐち産業復興財団・地元企業など産官学が協力し、子供達に科学技術への興味を深めてもらうことを目的に開催されています。当社は2016年よりこの取り組みに協力しており、「速く走る船を作ろう」をテーマに「ポンポン船」の工作教室を開催し、今年は計25名の小中学生が参加されました。私は、「ジュニア科学教室」の講師の一人として参加しました。
「ポンポン船」とは、発泡スチロールで作られた船にろうそくとアルミ製の管を取り付け、熱によるアルミ管内の水の蒸発を利用して進む船であり、ポンポンと音を鳴らしながら進むため、ポンポン船と呼ばれています。船の型取り方・アルミ管の取り付ける位置等で船の進む向き・速さが決まります。
教室では、最初に講師陣がポンポン船の原理と作り方を説明した後、参加した子供たちが5名程の班に分かれてポンポン船作りに取り組みました。子供たちは工夫を凝らし、時には講師陣からのアドバイスを受けながら、それぞれ思い思いのポンポン船を作り上げました。船が完成すると、水槽内に船を浮かべてグループ毎でレースを行いました。接戦・逆転の展開となるレースもあり、教室は大いに盛り上がりました。
ポンポン船作りの後は、工場内へ移動し実際の船が造られる工程を見学してもらいました。工場内のクレーン等の設備や組立前の鉄板を繋ぎ合わせたブロックを間近で見ることは、子供たちにとっては貴重な体験だったと思います。
この教室を開催中、参加した子供たちが熱心かつ楽しみながら取り組んでいたことが印象的であり、私自身も子供たちへのアドバイスを通じて楽しませていただきました。今後もこの教室を通じて、よりたくさんの子供たちがものづくり、特に造船業について興味を持ってもらえればと思います。そして、次世代を担う造船技術者が増えていくことを願っています。
勝部 誠
三菱造船(株)マリンエンジニアリングセンター下関設計部計画設計課
性能設計