西部支部メールマガジン第90号
新造船紹介:38,000m3型LAG/LPG運搬船「HOURAI MARU」
(株)名村造船所船舶海洋事業部設計本部基本設計部計画設計課 武藤 博之
HOURAI MARU
当社は2019年3月11日、伊万里事業所 (佐賀県) で建造していた38,000m3型LAG/LPG運搬船 "HOURAI MARU" を引渡しいたしました (※LAG:液化アンモニアガス)。
当社におけるLPG運搬船の建造は2008年以降約10年振りのことでしたが、本船はこれまで建造した船とは異なり、低温式多目的LPG運搬船としては世界初となるIMOタイプB独立方形貨物タンクを採用しています。また、最適船型並びに省エネ船尾付加物を採用して推進性能を大きく向上させています。
以下に本船の主な特徴をご紹介します。
- 最適船型並びに省エネ船尾付加物を採用して推進性能を向上させ燃料消費量の低減を図り、EEDIはPhase 2を達成しています。
- 低温式多目的LPG運搬船として世界初となるIMOタイプB独立方形貨物タンクを採用し、安全性並びにメンテナンス性を高めています。また、タンク配置は改正IGCコードの要件を満足するようにしています。
- 改良された再液化装置を装備し、液相で5mol%のエタンを含むプロパンの積載を可能としています。
- 国内外での荷役を考慮したマニフォールド配列、デッキタンク、カーゴヒーター、ブースターポンプを装備し、荷役の柔軟性を高めています。
- バラスト水管理条約の発効に伴いIMO承認に基づくバラスト水処理装置を搭載しており、バラスト水を制御することで海洋環境の保護に努めています。
- 就航後、SOxスクラバーを容易に搭載できるよう、搭載時を想定した図面にて満足すべき関連要件への適合確認が完了している船舶であることを示す船級符号 "EGCSR-G (Exhaust Gas Cleaning System Ready-General)" を取得 しています。また、通常の燃料油用のSettling & Service tankに加えて低硫黄燃料油専用のSettling&Service tankを有しています。
- 機関室二重底には、生活排水貯蔵タンク及び汚水処理水貯蔵タンクを有しています。
本船の主要目
- 全長
- 182.97m
- 幅 (型)
- 29.60m
- 夏季満載喫水 (型)
- 10.40m
- 総トン数
- 25,458 総トン
- 載貨重量
- 28,894 重量トン
- 主機関
- MAN B&W 6G50ME-B9.5 1 基
- 定員
- 25 名
- 船級
- 日本海事協会
- 船籍
- マーシャル諸島
武藤 博之
(株)名村造船所船舶海洋事業部設計本部基本設計部計画設計課
基本計画