鹿児島大学水産学部「かごしま丸」船長 内山 正樹
2020年春から感染者が増加した新型コロナウイルス感染症の下で夏休み期間に実施された"公海域水産乗船実習" 39日間について紹介します。
鹿児島大学水産学部付属練習船かごしま丸 (935GT) は、年間を通して各種漁業実習・海洋観測実習・海洋生物採集・航海及び運用等に関する乗船実習を実施しています。短期では1週間〜2週間程の航海期間で東シナ海や南西諸島周辺海域で行っていますが、学生にとって長期休暇となる夏休みと春休み期間には1ヶ月を超える長期乗船実習を行っています。
例年夏休みに計画される "公海域水産乗船実習" では、鹿児島を出港し航海実習や操業準備をしつつ南下、外国 (パラオ、インドネシア、フィリピン等の一港) に寄港した後、ミンダナオ島東方の中西部太平洋でマグロ延縄操業・海洋観測実習を行い、沖縄をもう一つの寄港地とする航海を行っていましたが、今年はコロナウイルス感染症対応と相次いで襲来した台風により特別なものとなりました。
今年は台風と新型コロナウイルス感染症対策のため度々計画変更を余儀なくされた上、寄港地も無い航海となり学生には厳しいものでしたが、実習後のアンケート調査では「めったにない体験ができた」、「陸上での講義内容を復習実践できた」、「マグロが獲れ、楽しかった」等肯定的な意見が多く、胸をなでおろしました。
内山 正樹
鹿児島大学水産学部「かごしま丸」船長