三菱造船(株)マリンエンジニアリングセンター長崎設計部計画設計課 西郷 康平
2020年6月に長崎造船所にて竣工しました、Phoenix Line Shipping S.A.向の83,000m3 型VLGC "ETERNAL GLORY" の概要について紹介します。本船は独立タンク方式の83,000m3型 VLGCで、2010年から連続建造している当社第三世代VLGCの16隻目にあたります。
本シリーズは、LNG船で培った設計ノウハウ・解析技術を生かして設計したTank type Bの貨物タンクを搭載しており、信頼性が高くメンテナンス性のよい船となっております。また、米国・日本間の輸送を念頭に新パナマ運河を通峡できる仕様となっており、最新のLPGトレード状況に対応しております。
本船の特徴としては、2020年1月に適用開始されたSOx global cap対応のためOpen loop方式のSOxスクラバを搭載しており、当社でのSOxスクラバを搭載したVLGCの建造実績としては5隻目となりました。また、バラスト処理装置を搭載しているほか、EEDIは適用Phase=1 (削減率10%) に対し削減率20%超を達成しており、環境問題に配慮した船となっております。
以上のように本船は豊富な実績・経験を活かし安全性・信頼性を確保しつつ、最新の規則・動向にも対応したVLGCとなっており、今後も更なる改善を続けていきたいと考えております。
本船の主要目は以下の通りです。
西郷 康平
三菱造船(株)マリンエンジニアリングセンター長崎設計部計画設計課
基本計画