Japanese
メニュー
メールニュース
ホーム > メールニュース > 西部支部メールマガジン第96号 > 造船業へAI (人工知能) 導入を

西部支部メールマガジン第96号

造船業へAI (人工知能) 導入を

長崎総合科学大学工学部工学科船舶工学コース 影本 浩

近い将来、世の中のあらゆる分野を席巻すると考えられているAI (人工知能) は、船舶海洋分野でも製造部門・事務部門・オペレーション部門・研究部門などあらゆる部門への導入可能性を秘めています。長崎総合科学大学では、このような認識のもと、船舶海洋分野、特に造船業へのAI導入促進を目指して、以下のような取り組みを行なっています。

(1)「AI応用研究センター」の設立

昨年 (2020年) 4月に、AI応用に実績のある新しい教員を迎え、AI応用による新技術分野と新しい産業分野の開拓をめざす「AI応用研究センター」を設立し、センターの柱の一つとして「造船へのAI応用」を掲げて、以下のような活動を行なっています。

  • 学部・大学院でのAI教育
  • 造船所 (特に長崎近郊の中小造船所) へのAI導入に関するコンサルタント業務
  • 造船所でAI導入に関わる人材 (社会人・学生) の教育
  • 講演会等を通したAIに関する啓蒙活動
  • 産学連携による造船所へのAI導入に関する調査・研究・実証・提案

(2)日本船舶海洋工学会のストラテジー研究委員会の設立・実施を主導

筆者と長崎総合科学大学の船舶工学コースの教員が主導して、標記研究委員会の趣旨に賛同いただける有志の方に参加を広くよびかけ、また人工知能の理論的な研究に携わっている研究者にも参加をお願いして、2018年9月に日本船舶海洋工学会のストラテジー研究委員会として「船舶海洋分野への人工知能 (AI) の導入可能性の調査と評価」に関する研究委員会を立ち上げ、以下のようなタスクを目標として活動を行ないました。

  1. 船舶海洋分野へのAI導入可能性の調査
  2. AI導入効果の定量的評価法の調査
  3. 抵抗試験結果などAIへの機械学習に使える既存データの調査

さらに、未来の「AI造船所」はどのような造船所になるのか、どのような造船所にすべきかについて、有志の委員でブレーンストーミングも行なってみました。手塚治虫さんならば、どのような「AI造船所」を描いたでしょうか。

委員会は成果報告書を作成し、2020年5月をもって終了しました。その後、学会内の研究会やシンポジウム、造船技術者講座などで成果を紹介させていただく機会を得ましたが、今後もいろいろな機会をとらえて成果の発表や、産(造船所など)との連携によるAI導入の実証に向けて活動を継続していきたいと考えています。

また、上記「造船所などとの連携によるAI導入の実証に向けて活動」の一環として、AIやIoT, ICT技術を徹底的に利用し、自動化・省人化を図った「Smart Shipyard」の実証のための研究計画を海上技術安全研究所と共に「スマートマリンシステム実証のための研究開発基盤の構築」として日本学術会議の大型研究計画マスタープラン2020に応募し採択されました。(申請代表者は海技研所長。研究資金の交付が決定したということではなく、重要な大型研究計画として日本学術会議のお墨付きを得たということです。)

影本 浩
長崎総合科学大学工学部工学科船舶工学コース
海事流体力学、浮体運動学

  • Photo Gallery
  • Ship of the Year
  • ふね遺産
  • デジタル造船資料館
  • アフターコロナ禍特別検討委員会報告会

広告 [広告掲載のご案内はこちら]

会員ログイン
新着情報一覧はこちら
学会へのアクセスはこちら
ページの先頭へ戻る

〒105-0012
東京都港区芝大門2-12-9
  浜松町矢崎ホワイトビル 3階 [交通アクセス]

TEL:03-3438-2014 / 2015
   FAX:03-3438-2016
   [事務局へメールする]
ページの先頭へ戻る