九州大学工学部地球環境工学科船舶海洋システム工学コース4年 稲岡 諒朗
2022年5月14日(土)に、九州大学船舶海洋工学教室では学部1年生から大学院修士2年生までの希望者を対象に、長崎県佐世保市の海上自衛隊を訪問して艦船の見学をさせて頂きました。当記事ではその時の様子をお伝えします。
当日の朝、九州大学伊都キャンパスからバスで佐世保基地へ移動後、初めに見学したのは護衛艦「はぐろ」です。2021年3月に就役した新しいイージス艦に乗艦し、我が国の安全を担う最新鋭の技術の結晶を間近で見学できる良い機会となりました。私も含め艦艇見学自体が初めての学生が多く、至る所で歓声を聞くことができたのですが、やはり船首側甲板から見た62口径5インチ単装砲や垂直発射装置の姿に盛り上がる学生が多かったように感じます。
昼食の仕出し弁当を食べた後には、補給艦「おうみ」の見学が行われました。乗艦後すぐに飛行甲板にて乗艦研修参加者の記念撮影が行われ、研修終了後に素敵な写真を頂きました。艦内の見学では、まず補給ステーションが印象に残っています。第2甲板のフォークリフト用走行軌条のある長い通路を実際に歩き、大きな冷凍・冷蔵庫を見てその大きさに驚きました。まるで倉庫のようで、補給艦の役割がよく分かりました。また艦橋の見学でも周辺を双眼鏡で観察したり、艦長席で写真を撮ったりと楽しく過ごすことができました。
ところで、艦内を見学中は狭い廊下と急なラッタルにより視野が狭まり、しばしば先導員を見失うということがありました。有事の際にも最大限の性能発揮を要求される艦艇故に洗練された無駄な空間のない船体構造を自ら迷子になることで図らずも体験することができました。
艦艇2隻の乗艦研修の後には佐世保重工業(株)佐世保造船所のドックにて修理中のヘリコプター搭載護衛艦および掃海艇の外周からの見学を行いました。前者の護衛艦は特徴的なヘリ発着艦用の広い甲板に加えて、ちょうど修理中であった船底まで見ることができ、印象的でした。また掃海艇については、運用隻数が減りつつある木造艇であり、その精巧な職人の技を見学することができ良かったです。
以上が見学会の内容となります。普段の講義で主に扱われる商船とはまた違って、国民の安全のために防衛や災害時支援で活躍する艦艇を間近で見学できたことは、私たち学生にとって貴重で有意義な時間となったように思います。本研修にご尽力頂きました、海上自衛隊佐世保補給所ならび各艦の皆様に心よりお礼申し上げます。
稲岡 諒朗
九州大学工学部地球環境工学科船舶海洋システム工学コース4年
システム計画学研究室