(株)名村造船所船舶海洋事業部設計本部技術開発センター 林田 聡史
2022年10月12日(水)~14日(金)、韓国釜山市のBEXCO Busanにて「GREEN & OFFSHORE KOREA 2022」が開催されました。今回は「Energy transition from Oil to Green renewable energy」という主題のもとエネルギー転換技術に特化した展示会となっており、韓国国内メーカー200社超が出展していました。
本展示会は特定のテーマに特化していたこともあってか、展示会の規模はSea-Japanの様な日本国内の展示会の半分程度でした。以前は複数会場に展示会場があるほど規模が大きかったようですが、COVID-19の影響も少なからず残っているようでした。来場者については、一般からの参加は少ないようで、韓国国内の海運・造船関係者が情報収集などの為に各ブースを訪問しているような印象でした。
今回の展示会では、内航の水素燃料電池船やCO2回収技術と組み合わせた水素製造技術など、水素の利活用に着目している企業が多く見られました。まだ内航船や陸上用ということで、外航船舶を対象としているものではありませんでしたが、韓国国内での水素に対する注目度の高さと韓国メーカーのアグレッシブさが窺えました。複数の企業に話を聞いたところ、水素、アンモニア、CO2回収などの技術開発は、造船所とメーカー、大学とが共同で行っているケースがほとんどで、産学連携の重要性と強みを再認識させられました。
今回の展示会では今すぐに造船業界、特に外航船舶に採用できる技術は多くありませんでしたが、海運・造船業界が直面している環境問題への打開策を見つけていくために、今後も広く情報収集を行い環境負荷が低い船舶を計画・設計していきたいと思います。
林田 聡史
(株)名村造船所船舶海洋事業部設計本部技術開発センター
基本計画