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西部支部メールマガジン第106号

船舶用レーダを用いた桜島噴煙の機動的観測

鹿児島大学水産学部 西 隆昭
京都大学防災研究所火山防災連携研究ユニット 眞木 雅之

桜島噴煙機動的観測レーダ配置,カシミール3D

桜島噴煙機動的観測レーダ配置,カシミール3D

黒神観測サイト

黒神観測サイト

京大桜島観測所観測サイト

京大桜島観測所観測サイト

有村川右岸観測サイト

有村川右岸観測サイト

鹿児島市の桜島は大正・昭和と大規模噴火をして住民に大きな被害をもたらしてきました。現在でも約1ケ月で50回程度の噴火が発生しています。火山活動は地震計等で観測されていますが,噴火後に噴煙がどのような動きをするかの観測は住民の避難,農業,水産業そして日常の生活に役立つと考えています。

レーダは船舶用,航空機用と開発されて気象用レーダも多く開発されてきました。気象用レーダは多機能で自在に観測ができますが,全周観測に5分から1分の時間がかかることと,移動にクレーンやトラックが必要となります。船舶用レーダは障害物探索・衝突防止が第一義的な目的ですので,全周観測時間は2.5秒程度であり格段に速いです。さらに小型船舶用のレーダ本体は約30kgと人が持ち運べる重量です。

2022年度は京都大学桜島観測所と黒神観測所そして有村川右岸に船舶用レーダを設置して桜島の噴煙を観測しました。有村川右岸は商用電源の供給ができなかったので,発動発電機を利用したために12月で観測を終了しましたが,他のサイトは観測を継続しています。今後はそれぞれのサイトのデータを活用して噴煙の予測ができるように観測・解析を進めたいと思っています。

西 隆昭
鹿児島大学水産学部
電波測位学

眞木 雅之
京都大学防災研究所火山防災連携研究ユニット
気象学

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