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西部支部メールマガジン第108号

三菱造船 性能推定&線図選定システムMiPoLin

三菱造船(株)マリンエンジニアリングセンター船舶技術部計画1グループガス船計画チーム 土田 大騎

三菱船型試験場

三菱船型試験場

MiPoLin Top page & Input page

MiPoLin Top page & Input page

MiPoLin出力結果

MiPoLin出力結果

2022年8月に提供を開始しました "MiPoLin (Mitsubishi Shipbuilding Power Prediction & Lines Selection System)" について紹介します。

MiPoLinは、三菱造船の保有する大規模な水槽試験データベースを用いることで、簡単な入力操作で高い精度の推進性能推定と線図選定を実現するWebベースのシステムです。MiPoLinの基になったツールは元々、社内で使用していた設計ツールですが、社外のユーザにとっても最大限活用し易いツールとなるように改良を行い2022年に提供を開始しました。

MiPoLinを社外へ提供可能な仕様とするに当たり最も多くの時間を要した開発は、ユーザが簡単に妥当な結果を得ることができるようにすることであり、私の役割はそのための仕様検討を行うことでした。MiPoLinの基となったツールは、そのツールの使い方に習熟した社内の設計者が、状況に応じて社内のデータを自由に活用することを想定して開発されました。そのため、可能な限り設計変数を多く設け、自由度の高い仕様としていました。

自由度が高いことは一見すると良いことのように思われますが、使い方に習熟していないユーザにとっては直感的に操作しにくく、容易に結果を得ることが難しいツールになっていました。MiPoLinを社外へ提供する場合、造船所、船社、研究・教育機関等、想定されるユーザは多岐に渡ると想定され、"使い易い" ことが最も重要であることは明白でした。

そこで、専門的な知識を要する設計変数については、推定精度を損なわない標準式に置き換える事で、ユーザの入力項目が少なくなる工夫を行いました。サービス開始から約1年が経とうとしているMiPoLinですが、船の主寸法と、主機出力及びプロペラの要目という極めて少ない変数を設定するだけで、計画船の推進性能~線図まで得ることができるよう、より使い易く改良を重ねています。

また、MiPoLinの特筆すべき仕様として、推進性能推定~線図選定まで、一貫して三菱造船の有する水槽試験データベースを活用している点が挙げられます。三菱造船は、これまで大型ガス運搬船からフェリー、客船に至るまで幅広い船種を手掛けてきました。これらの設計~建造のプロセスを通じて、三菱船型試験場では約1,200ケースの多様な水槽試験結果を100年以上に渡って積み重ねており、併せて開発した船舶の建造で得られた実績とノウハウを保有しています。

MiPoLinが提供する推進性能は、この豊富な知見に基づく結果になります。また、MiPoLinは推進性能の推定に留まらず、計画船の船型創生も可能です。本ツールの計算基盤となっているデータベースには約420隻もの模型船の船型データが登録されており、線図データとして推定推進性能に紐づいた計画船の船型を創生し、即座に設計に使用することも可能です。

海事業界では、今後ますます環境に配慮した船舶や運航のニーズが高まると予想されます。このニーズに対して、MiPoLinの活用範囲は、船型開発に代表される船舶基本計画への利用に限らず、GHGゼロエミッションに向けたこれまでに無い特別な船型の開発・評価などのさまざまな場面でご活用いただけます。

※MiPoLinは三菱造船株式会社の登録商標です。

土田 大騎
三菱造船(株)マリンエンジニアリングセンター船舶技術部計画1グループガス船計画チーム
基本計画

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