西部支部メールマガジン第112号
新造船紹介:4万トン型バルカー "NORVIC HOUSTON"
尾道造船(株)設計部船舶開発課 刀根 隆典
本船引渡しの様子
本船は弊社と三井E&S造船との間で共同開発を行い、弊社にて建造された載貨重量4万トン型バルカーで2023年9月13日に引渡しを行いました。
本船の特徴を以下に紹介します。
- 弊社にて従来建造していた載貨重量3.7万トン型バルカーと比較して型幅を拡大することで、全長180m未満で載貨重量を39,500トン確保した幅広浅喫水船型となっております。
- 5つのセミボックス形状の貨物倉は2重船殻構造となっており、倉内へ骨部材が突起しておらず、Steel Coil等を含めた様々な乾貨物の荷役に適した仕様となっております。また、4基のデッキクレーンを装備しており、港湾設備の整っていない港での荷役も可能となっております。
- 最新のG型電子制御エンジン6G45ME-C9.7-HPSCRを採用することで燃費率向上を行い、さらに低回転によるプロペラ効率の向上によりCO2排出削減と燃料消費量削減を達成しています。また、NOx TierⅢ規制への対応として、主機関及び発電機関共にSCR(選択式還元触媒)を採用することで、還元剤は尿素水のみでの運用が可能となっております。
- EEDIは規則要求されるPhase2 (基準値より20%削減) より厳しいPhase3 (基準値より30%削減) を先行達成しております。
最後に、本船の主要目を以下に示します。
主要目
- 載貨重量
- 39,500重量トン
- 全長
- 179.9m
- 型幅
- 32.0m
- 型深さ
- 14.8m
- 満載喫水
- 9.8m
- 主機型式
- MAN B&W 6G45ME-C9.7-HPSCR
- 船級
- 日本海事協会
- 船籍
- マーシャル諸島
刀根 隆典
尾道造船(株)設計部船舶開発課
基本設計