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船の健康診断

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人間ドックとは病院や診療所で行う健康診断の一つですが、人間ドックと言うからには、人間以外のドックがありそうですね。

そのとおり!ドックとは本来、造船所の「乾ドック(ドライドック)」を意味します。ここは航海中には点検できない船底、プロペラ、舵(かじ)などをはじめ、船の性能維持に関わるところを入念に整備する「船の診療所」といったところです(・・・なるほど、人間ドックという言葉ができた理由がわかりますね)。

船は乗組員や乗客の安全を担っていますから、定期的な検査が義務づけられています。例えば外国航路に就航する貨物船の場合、船の建造中に行われる製造検査に合格すると、5年間有効な「船舶検査証書」が交付されて、以後5年周期でエンジンその他機器類の分解整備、船体各部の損傷、タンクの漏れの確認、その他設備の状況確認、整備が行われます。これを定期検査と言います。

さらに5年の間に2度は必ずドック入りして、簡易検査を行う必要があります。これが中間検査です。これらに加えて、改造・修理等あるいは船舶検査証書に記載されている条件を変更するときは臨時検査を受けなければなりません。

船の健康診断は何度も繰り返して行われるのですね。
大変だなあ・・・しかしこのような入念な検査が行われるからこそ、私たちは安全に船に乗れるのです。


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