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SOSはもう古い

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「SOS」と言えば、氷山に衝突した客船タイタニックが打電したことでも有名なモールス信号です。この3文字の語源はSave Our Ship (私たちの船を助けてください)やSave Our Souls(私たちの魂を救ってください)の頭文字を並べたものと説明されることがありますが、実際は送打電しやすく、聞き取りやすい最も単純な信号パターンというのが理由です(何といっても3短点3長点3短点 ・・・−−−・・・で済みますからね)。ちなみに電話で遭難を知らせる時は「Mayday(メーデー)」が使われます。確かにこの場合も"キャー"とか"うあー"と同じくらい叫びやすいですね。ちなみにメーデーの場合はフランス語のm'aidez (私を助けて)が語源です。

SOSの始まりを辿ると1906年に開催された第1回万国無線通信会議ですから、かれこれ100年以上の歴史があります。この間にたくさんの船がこの信号に助けられたことでしょう。しかし最近の自動化・デジタル化の波は歴史あるSOSにも押し寄せ、1999年にはついに新しい遭難信号システム(Global Maritime Distress and Safety System: GMDSS) にとって代わられたのです。GMDSSを用いれば、通信技能を持たない乗組員でも取り扱い可能なので、緊急時には安心ですし、省人化にもつながります。また人工衛星を利用することで安定した通信が可能になるなど、いいことずくめです。

たくさんの船を救った「SOS」も使命を終えました。古き時代のSOSさんお疲れさま、といったところでしょうか。そう言えば1970年代には、ピンクレディーがSOSと・・・・・・時の経つのは早いなあ(おじさん世代)。


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