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スターボードサイド、ポートサイドって?

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船の部位を指す言葉として、スターボードサイド、ポートサイドという聞き慣れない言葉が使われています。

一般に船の前の部分を船首、後ろの部分を船尾、右側を右舷(うげん)、そして左側を左舷(さげん)と呼んでいます。

スターボードサイドというのは右舷のことです。昔は舵を取るための板を船尾の中央に取り付ける技術がなく、船尾の右舷側についていましたので、右舷のことをスティアリング(steering:舵を取ること)ボード(board:板)サイドと呼んでいました。現在では、これがなまってスターボードサイドとなったのです。船長の居室も、舵をとるために右舷側に設けられることが多かったようです。

また、左舷は舵がありませんでしたので、港につけて人や積み荷の出し入れ口としました。このことから、ポート(port:港)サイドと呼ばれています。現在も、多くの船が左舷に接岸しています。左舷への接岸の考え方は、航空機にも取り入れられており、人の出入り口は機体の左側に設けられています。ただ航空機では機体の右側、左側のことをスターボード、ポートとは呼んでいないようです。

どうして舵を右側に取り付けるようにしたかというと、右利きの人が舵を操作するのに右側にあった方が便利だということから決められたという説が有力です。小型船の船尾で舵を右手で操作するところを想像すると納得できるかもしれません。

スターボード、ポートは船の右側、左側を表すだけではなく舵を取るときにも使われます。船を右転させるときは「スターボード」という号令をかけて舵輪を右に回し、船を左転させるときには「ポート」という号令をかけて舵輪を左に回します。


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