沿岸域は海洋の中でも人間が最も高度に利用している場所であると同時に、近海域を含めた環境を左右するきわめて重要な空間でもある。特にわが国では、人口の約半分が沿岸域に居住し、社会経済活動の基盤ともなっており、この沿岸域を”賢く”利用・管理していくことは海洋工学の重要な課題の一つである。わが国においても国土交通省の「21世紀の国土のグランドデザイン」における総合的管理の要請にはじまり、関連法の改正、再生会議やフォーラムの設置など沿岸域に関連する様々な動きが見られるものの、最近発表された「海の健康診断(海洋政策研究財団)」によれば、わが国の沿岸域内の閉鎖性海域の多くは要注意の状態にあるとされている。さらに近年大型化が目立つ津波や高潮によって沿岸域に大きな被害が相次いだことから、沿岸域における防災の重要性も再認識され始めている。以上のような状況をふまえ、今回のパネルでは現在のわが国の沿岸域に関わる諸問題について、法・行政体制、防災、生態系、環境保全、利用などの各界の有識者から現状・実態の知見を紹介して頂き、未来のわが国沿岸域の統合的な利用・管理の望ましい姿を幅広く議論する。
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「わが国の沿岸域管理の現状と課題」 寺島紘士(海洋政策研究財団 常務理事)
13:20〜13:45
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