その結果、回答頂いた会員全般の意見として技術者教育に学会として取り組んで欲しいとの意見が回答者の6割以上であり(不要は2割)希望の技術科目など多くの意見を頂いた。しかし討議の結果学会内に新規に技術者教育体制を作るロスを考慮し、それまで造船工業会(以下、造工)、中小型造船工業会(以下、中造工)が実施して来た「社会人教育」に学会も主催者として参加することになった。学会の参加で中堅技術者コースを設け、現時点で参加者も大幅に増加している。このチームではCPD(Continuing Professional Development、継続能力開発)の考え方や大学教育への期待などの意見も取り纏めた。この組織は2006年7月の理事会で「技術者教育センター」として学会内固定組織として位置付けられ、2007年度からのCPDシステム試行に向かって詳細な検討チームを発足させた。
@ 大学の船舶海洋学科への希望者が増加しない。
A 大学の船舶海洋学科卒(含む院卒)が造船会社の技術者になる人が少ない。韓国、中国に比し桁違いに少ない。結果的に他学科の学生が造船の仕事に従事している率が多くなっている。
B 造船会社では、大卒技術者が基礎的な技術が十分で無いものがいるのでは無いかとの意見が多い。
C 造船会社内での技術伝承は日常的にOJT等で実施されているが、実質的には業務多忙の中で十分で無いという意見が多い。
D 造船会社内でも長い造船不況の影響で30歳台後半から40歳台に掛けての技術者の中堅層が薄く、中堅技術の伝承に問題を感じているところが多い。
@ 船舶海洋分野での技術者に係る課題の多い環境を良い方向に変えるための打ち手を関係委員会、各支部、関係組織と連携し企画立案実行。青少年に対する教育的啓蒙活動なども検討する。
A 学会内の技術者・研究者の技術力向上、能力開発のために学会内技術研究会、各支部と協力連携しての会員の技術力強化に必要な事項の企画運営実行。
・船舶海洋技術者への教育活動(造工・中造工との共催の「社会人教育」など)の企画運営。
・船舶海洋技術者の能力開発の支援活動(講演会および研究委員会、支部主催のシンポとの連携等)。
・能力開発イベントの会員への周知。
B「技術士」資格のための諸活動とその運営。
C 船舶海洋技術者のCPDシステムの構築と運営。日本工学会およびAPEC への対応。
D 大学における船舶海洋分野の教育改善への支援および、日本技術者教育認定機構(JABEE: Japan Accreditation Board for Engineering Education)への対応。大学教育改革への提言。
E センターの統括、運営、予算管理など。