日本船舶海洋工学会論文審査委員会および
論文の審査に関する内規
1. 論文審査委員会
(1) 論文審査委員会の構成と機能
- 論文審査委員会(以下単に委員会という)は細則第23条に規定する事項の審査を行う。
- 論文審査委員長(以下単に委員長という)は,委員会を主催する。また,委員長は,必要と認めた場合に論文審査委員(以下単に審査委員という)の中から委員長代理と、委員会の運営について委員長を補佐する幹事を指名することができる。
- 審査委員は正会員とし、15以上20名以下で構成する。
- 委員会に審査部門を置き、委員は何れか一つの審査部門に所属する。
審査部門には、主査を置く。
- 委員会に論文査読のための査読委員(100〜150名)を置く。審査委員は査読委員を兼ねる事ができる。査読委員には非会員もなり得る。
- 委員会は投稿論文1件に対して担当審査委員1名と査読委員2名を指名する。
- 委員会は査読委員から提出された査読結果によりその論文の採否を審査し、必要な事項を著者に伝達する。
- 委員会は、査読結果とそれに対する著者回答をもとにその論文の掲載可否を判定する。
- 査読結果が可否に分かれたり、査読委員と著者の見解が大きく別れる場合には、担当審査委員は主査と協議の上、適切な第3査読者を指名し、委員会はその査読結果も含め掲載可否の総合判定を行う。
- 委員会は適切な査読委員の指名や査読委員の負担の平準化など論文審査運営全般に対して責任を持つ。
- 査読委員は個別論文の査読を行い、査読結果を委員会に報告する。
- 委員会は論文の投稿状況を把握し、必要に応じて投稿を促進する。
(2) 審査委員・査読委員に求められる資質
審査委員・査読委員に求められる資質と見識を表1に示す。
| 表1 審査委員・査読委員に求められる資質 |
| 審査委員・査読委員に求められる資質 |
基 準 |
| 1. |
技術者、研究者として倫理意識を持っていること |
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論文審査委員の推薦によること。 |
| 2. |
船舶海洋分野における十分な学識と経験を持っていること |
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博士の学位あるいは技術士資格を有すること、研究経験年数10年以上で日本船舶海洋工学会論文集に5編以上論文が掲載されていること、あるいは十分な実務経験・研究経験等に基づきこれらと同等な学識経験を有すること。 |
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| 4. |
専門以外の研究分野にも広い見識を持っていること |
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論文審査委員の推薦によること。 |
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(3) 審査分野
委員会は次の審査部門に分ける。(詳細な内容とキーワードは表2を参照)
| (1) 環境海洋技術 |
(2) 海事・海運 |
(3) 計画 |
(4) 設計・生産技術 |
| (5) 装備技術 |
(6) 推進・運動性能 |
(7) 材料・構造 |
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| 表2 審査部門とキーワード |
| 部 門 |
部 門 名 |
キーワード |
| 第1部門 |
環境海洋技術 |
海洋調査、海洋環境、海洋環境計測、海洋環境評価・評価基準、海洋汚染対策、海洋生態系、海中機器 |
| 第2部門 |
海事・海運 |
海事ネットワーク、海事データベース、港湾・荷役方式、物流、航海・海運システム、船級、法規、国際条約 |
| 第3部門 |
計画 |
システム分析、概念設計、基本計画、構造計画、社会海事計画 |
| 第4部門 |
設計・生産技術 |
海洋環境荷重評価、基本設計、性能設計、構造基本計画、構造詳細設計、構造規則、設計基準、CAD、溶接・工作・塗装、建造・現地工事、CIM・CAE、保全、船舶・海洋構造物検査支援システム、船殻・機関モニター、応力履歴計測、船舶・海洋構造物補修・改造・解轍、ライフサイクル情報管理 |
| 第5部門 |
装備技術 |
主機・推進系設計、機能システム設計、配管艤装、外(鉄)艤装、居住区艤装、艤装工作、機能(甲板、荷役、スラスター等)機械、火災安全性、避難安全性、機能システム安全評価・対策、作業船 |
| 第6部門 |
推進・運動性能 |
船舶・海洋流体力学、船舶・海洋構造物運動性能、運動制御、乗り心地評価、操船環境評価 |
| 第7部門 |
材料・構造 |
準静的応答、動的応答、疲労、破壊、腐食、金属材料、複合材料、座屈、最終強度、衝突・座礁解析、構造力学、構造解析システム、構造最適化、構造信頼性 |
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上記部門は、以下の考え方に基づき設定されている。
| 1. |
主対象・用途あるいは境界条件に係わる部門
ただし環境海洋技術には技術とその技術により初めて切り開かれる科学も含まれる。 |
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海事・海運、環境海洋技術 |
| 2. |
概念の形成に係わる部門
類似の既存のものがある船とちがい、概念形勢そのものの創造が内容である。 |
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計画 |
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設計・生産技術 |
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装備技術 |
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推進運動性能、材料構造 |
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2. 委員会の運営
(1) 審査委員会の運営
- 各審査部門に2〜4名の審査委員を配置し、委員会の運営に当る。
- 委員会は投稿された論文の査読者の選定と査読依頼、査読状況の監視、査読結果に基づく論文の採否決定を行う。
- 委員会は年3回(1月、4月、11月)開催し、論文審査の運営について協議する。主査会は適宜開催し、編集状況を監視する。
(2) 査読委員の選出と役割
- 部門単位で、審査委員の推薦により候補者選出を行う。
- 候補者は経歴書(A4:1〜2枚)を提出する。経歴書には前項表2に記載された資質を立証する記述を含める。
- 候補者は、その専門分野に関わる審査部門のキーワード2つ以上およびそれ以外のキーワードがあればそれを自己申告する。
- 委員会にて審議し、理事会の議を経て会長が委嘱する。
- 査読委員は委員会の依頼により個別論文の査読結果を論文受領後1ヶ月以内に委員会に報告する。
- 論文集には、年1回当該年に査読を担当した査読委員一覧を記載する。
3. 日本船舶海洋工学会論文集に掲載する論文の審査
- 日本船舶海洋工学会論文集に掲載する論文の審査は,別に定める「日本船舶海洋工学会論文集掲載論文投稿規程」に従って応募されたものを対象とし,部門担当審査委員1名と査読委員2名が行う。
- 査読委員が当該論文の著者の場合、担当審査委員及び査読者の選出には関わらない。
- 査読委員は,別添の「論文審査のガイドライン」に従って論文を査読し,「日本船舶海洋工学会論文集掲載論文投稿規程」に記された論文審査の事項に適応するか否かを検討のうえ,つぎのいずれかの評点をつける。
(A) 掲載可 (B) 修正後掲載可 (C) 修正後再判定 (D)
掲載不可
なお,内容の訂正,長さの制限等の指定があれば付記し,所見を添えて査読結果を担当審査委員に報告する。
- 担当審査委員は論文掲載可否の判定結果と査読所見を取り纏め事務局を通じ著者に連絡する。事務局は審査結果一覧を取り纏め主査会に報告するとともに、審査委員全員に通知する。
- 委員会は、論文審査の結果を理事会に報告する。
- 委員会にて掲載否の判定を与えられた論文の著者には、原稿を返却するとともに、担当審査委員が査読結果を取り纏めた上で、事務局から著者宛に判定結果を送付する。
- 委員会にて掲載可の判定を与えられた論文の著者は、事務局より送られた著作権委譲書に署名捺印の上、日本船舶海洋工学会へ提出する。
- 著者を含め、外部に対して担当審査委員および査読委員の氏名および評点は一切公表しない。
4. 日本船舶海洋工学会論文集に掲載する討論の審査
日本船舶海洋工学会論文集の論文に対する書面による討論とそれに対する著者回答は、当該論文の担当審査委員がその査読と論文集への掲載可否の判定を行う。
5. 懸賞論文の審査
募集要綱に従って応募された懸賞論文は,委員長の指名する委員によって審査する。委員会は審査の結果により当該論文の授賞の可否を理事会に報告する。
論文審査のガイドライン
日本船舶海洋工学会論文審査委員会
- 募集要項で指定した分野、内容であること。
- 「新規性」「独創性」
研究テーマに対して、従来の研究でどこまでが明らかになり、何が不明なのか、また著者のオリジナリティーがどの点にあるのか、が論文中に明記されていること。そうでない場合は「演習問題的」な論文とみなされる。また他の研究者の論文との重複や、あるいは著者の前報との重複が顕著である論文も「内容が公知」や「出版公表済み」とみなされ減点される。
- 「有用性」
明確な研究目的が明記してあること、あるいは工学的、工業的にも実用上意味があること。これが無い場合は減点の対象となる。
論文審査委員会としては、産業界に所属する会員が実務への応用に興味を持つような「有用性」評価の高い論文の投稿を期待する。
- 「完成度」
現状を分析して立てられた研究目的に対して、目標に沿った成果が得られていること。それが無い場合は「完結性なし」として減点される。
- 「信頼度」
論文の骨子となる部分の理論、数式、計算、実験、結果の解釈がいずれも誤まり無く展開されていること。誤りがあり、その論文の結論が大幅に異なったものになる場合は「基本的な誤りあり」とみなされ大幅な減点の対象となる。
- 「了解性」
書き方、議論の進め方が論理的かつ明確で、読者に分りやすいものであること。内容が理解できないほどに記述が冗長ないしは不足していれば、「表現理解困難」、あるいは「論文構成不備」とみなされ減点の対象となる。
- 総合評価は下記の通りとする。
| (A) |
掲載可 |
| (B) |
修正後掲載可
基本的に掲載可である。内容改善の示唆を与えるが再査読は行わない |
| (C) |
修正後再判定
修正要求に対する著者の修正原稿を査読後に再判定する。 |
| (D) |
掲載不可 |