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表彰

シップ・オブ・ザ・イヤー 2011 大型RORO船「TØNSBERG」に決定

   公益社団法人 日本船舶海洋工学会が授賞するシップ・オブ・ザ・イヤーは、毎年日本で建造された話題の船舶の中から、技術的・芸術的・社会的に優れた船を選考して与えられるもので、今年で22回目となり合計8隻(内7隻が本選考進出)の応募があった。
   シップ・オブ・ザ・イヤー2011の応募作品発表会と選考委員会は、去る6月5日(火)東京都千代田区の学士会館で開催され、「シップ・オブ・ザ・イヤー2011」には大型RORO貨物船「TØNSBERG」が選ばれた。
   また各部門賞には「よね丸」(小型貨物船部門)、「awaline きらら」(小型客船部門)がそれぞれ選ばれた。
   授賞式は、日本マリンエンジニアリング学会のマリンエンジニアリング・オブ・ザ・イヤー、および日本航海学会の航海功績賞の表彰と共に、海事三学会合同表彰式として7月25日に海運クラブにおいて行われた(合同表彰式写真集はこちら)。
   なお、シップ・オブ・ザ・イヤー選考委員は下記のとおりである。

選考委員会委員(順不同)

平野 拓夫 氏 (委員長) インダストリアル デザイナー
桐島 洋子 氏   作家
税所 史朗 氏   海事プレス社 専務取締役
藤本 逸朗 氏   日本海事新聞社 常務取締役編集局長
青野 由利 氏   毎日新聞社 論説委員
智片 通博 氏   NHKメディアテクノロジー 取締役
土井全二郎 氏   日本海洋調査会 代表
種村 国夫 氏   イラストレーター
森本 靖之 氏   日本船長協会 前会長
川崎 和男 氏   大阪大学大学院 教授
三栖 邦博 氏   (株)日建設計 顧問
中川  衛 氏   金沢美術工芸大学 教授
佐藤  功 氏   日本船舶海洋工学会理事(広報担当)

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シップ・オブ・ザ・イヤー2011 選考経緯

「シップ・オブ・ザ・イヤー2011」には、大型貨物船部門に3隻、小型貨物船部門に1隻、小型客船部門に3隻、漁船・作業船部門に1隻の計8隻の応募があった。これを受けて4月に技術専門家からなる予備審査委員会が開かれ、漁船・作業船部門の1隻を除く7隻が本選考委員会に推薦され、6月5日の審査を迎えた。

選考は、学士会館(東京都千代田区)で日本船舶海洋工学会の総会後に多数の一般会員も聴講する中、各応募船の熱いプレゼンテーションが行われ、続いて部屋を移して選考委員会が開催された。13名の選考委員のうち11名が出席(選考委員1名は関係機関からの応募船があったため公正を期して投票を棄権)、また、会場でプレゼンテーションを聞いた一般会員による投票の最多得票船を1票として加算、満票で11票ということで審査を開始した。

事前の予備審査委員会での審査項目(技術の独創性・革新性、技術・作品の完成度、社会への波及効果、話題性・アピール度)の採点結果、およびコメントも参考にして選考が進められ、昨年と同様、まず全候補作品から最優秀作品一点をシップ・オブ・ザ・イヤーとして選定、その後、応募部門ごとに優秀な作品に対してシップ・オブ・ザ・イヤー部門賞を授与する選考方法とした。

最優秀作品一点の投票の結果、大型建機などの多種多様の自走式貨物を効率良く搭載可能で完成度も非常に高い大型RORO船「TØNSBERG」が全11票中8票を獲得し、他船を大きく引き離して見事シップ・オブ・ザ・イヤー2011の栄冠を手にした。
続いて、各部門賞の選考を実施し、小型貨物船部門では、沖縄・先島諸島の生活・経済活動に大きく貢献している「よね丸」の受賞が決まった。小型客船部門では、新潟県粟島の離島航路を支える高速双胴船「awaline きらら」が、第1回目の投票で同数であった「桜島丸」と決選投票の末、部門賞に選ばれた。

選考委員長 平野 拓夫

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受賞作品紹介

シップ・オブ・ザ・イヤー 2011

  「TØNSBERG」
建設機械、プラント設備、鉄道車両といった背高重量貨物 (High & Heavy Cargo)を輸送する世界最大のRORO船。多様な重量物を自走(Roll On – Roll Off)により効率よく積載するため、6層の固定デッキと3層の可動式デッキ、大型船尾ランプ(幅12m、許容荷重505t)を装備している。クレーン等の設備のない港湾でも荷役でき、経済成長が続く新興国のインフラ整備に必要な、大型建設機械や機械・設備の輸送に活躍が期待される。
また、バラスト水処理装置や電子制御エンジン、排熱回収システムなどを搭載し、高い環境性能も実現しており、完成度が高いと評価された。
  「TΦNSBERG」
 
船名
   …   TØNSBERG  
船種   …   RORO(Roll on / Roll off)貨物船
船主   …   Wilhelmsen Lines Shipowning Malta Ltd.
建造会社   …   三菱重工業株式会社
竣工年月日   …   2011年3月18日
LppxBxD-d   …   250m×32.26m×33.22m-11.0m
総トン数   …   74,622 トン
速力   …   20.25ノット
主機   …   MAN B&W 7L70ME-C8 20,100kW
特徴的な構造・艤装品   …   大型船尾ランプ、電動リフタブルデッキ、バラスト水処理装置

小型貨物船部門賞

  「よね丸」
沖縄本島から宮古島、石垣島など先島諸島への定期運行を行う内航貨物船。749総トン級としては他に類を見ない航海速力17ノットを、模型水槽試験による船型開発で実現した。ハッチカバーにフォールディングタイプを採用して、コンテナ積載量を大幅に高めるとともに、様々な貨物を甲板上・船倉内どちらにも積載可能とし、全方位の視認性を上げるためブリッジを5段にし最上部を丸型とするなど、随所に工夫がみられる。
沖縄・先島諸島の生活・経済活動に大きく貢献することが期待される。
  「よね丸」
 
船名
   …   よね丸
船種   …   一般貨物船
船主   …   南西海運株式会社、(独)鉄道・運輸機構
建造会社   …   株式会社三浦造船所
竣工年月日   …   2011年7月15日
LppxBxD-d   …   86.50×13.40×7.25-3.95m
総トン数   …   744トン
速力   …   17.0ノット
主機   …   6L35MC 2,995kW
積載貨物   …   コンテナ(128TEU)、雑貨(1650DWT)、乗客5名
特徴的な艤装品   …   フラップ舵、可変ピッチプロペラ、バウスラスター

小型客船部門賞

  「awalineきらら」
新潟県粟島の離島航路を支える25ノットの高速双胴船。日本海の厳しい海象に耐える耐航性能と乗り心地を実現するため、現地での海象調査や模型水槽試験を行い、最適な双胴船型、姿勢制御装置を開発している。
双胴がもたらす広い甲板を活用した客室、高い輸送能力、また新たに開発した自動姿勢制御装置によって縦揺れ、横揺れが抑制され、快適な乗り心地を実現しており、離島の生活を支えるインフラとして、また観光振興や地域の活性化に貢献が期待される。
  「awalineきらら」
 
船名
   …   awalineきらら
船種   …   アルミ合金製双胴型旅客船
船主   …   粟島汽船株式会社
建造会社   …   ツネイシクラフト&ファシリティーズ(株)
竣工年月日   …   2011年3月29日
LppxBxD   …   31.52x8.70x3.30m
総トン数   …   184トン
速力   …   25ノット
主機   …   MTU 16V2000M72 1,440kW×2
旅客数   …   170名
特徴的な艤装品   …   油圧式走行姿勢制御装置、バウスラスター
問い合わせ先
公益社団法人   日本船舶海洋工学会事務局
〒105-0012 東京都港区芝大門2-12-9 浜松町矢崎ホワイトビル
TEL:03-3438-2014   FAX:03-3438-2016
E-mail:office@jasnaoe.or.jp

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Ship of the Year history

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