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表彰

海事プレス社のご厚意により、今年の受賞船を特集した海事プレス増刊号「シップ・オブ・ザ・イヤー2012」を、先着200名の方に進呈します。ご希望の方は1.郵便番号、2.住所、3.氏名、4.電話番号を記載し、学会事務局までemailでお申込みください。どなたでも応募できますが先着順に1人1部までとさせていただきます。

シップ・オブ・ザ・イヤー 2012 大型貨物船「SOYO(双洋)」に決定

公益社団法人 日本船舶海洋工学会が授賞するシップ・オブ・ザ・イヤーは、毎年日本で建造された話題の船舶の中から、技術的・芸術的・社会的に優れた船を選考して与えられるもので、23回目となる今年は合計8隻の応募がありました。

シップ・オブ・ザ・イヤー2012の応募作品発表会と選考委員会は、6月17日(月)東京都千代田区の学士会館で開催され、「シップ・オブ・ザ・イヤー2012」には大型ばら積み貨物船「SOYO(双洋)」が選ばれました。

また海洋資源調査船「白嶺」が技術特別賞を受賞し、各部門賞には「新進丸」(小型貨物船部門)、「あまのかわ」(小型客船部門)、「M/V EMERALD ACE」(大型貨物船部門)、「かごしま丸」(漁船・作業船部門)がそれぞれ選ばれました。

授賞式は、日本マリンエンジニアリング学会のマリンエンジニアリング・オブ・ザ・イヤー、および日本航海学会の航海功績賞の表彰と共に、海事三学会合同表彰式として7月25日に海運クラブにおいて行われる予定です。

合同表彰式・懇親会の写真はこちら⇒   

なお、シップ・オブ・ザ・イヤー選考委員は下記のとおりです。

選考委員会委員(順不同)

平野 拓夫 氏 (委員長) デザイナー
桐島 洋子 氏   作家
税所 史朗 氏   海事プレス社 代表取締役社長
藤本 逸朗 氏   日本海事新聞社 常務取締役編集局長
青野 由利 氏   毎日新聞社 論説委員
智片 通博 氏   NHKメディアテクノロジー 経営主幹
土井全二郎 氏   日本海洋調査会 代表(元朝日新聞社 編集委員)
種村 国夫 氏   イラストレーター
森本 靖之 氏   日本船長協会 前会長
川崎 和男 氏   大阪大学大学院工学研究科 教授
三栖 邦博 氏   日本建築士事務所協会連合会 会長
中川  衛 氏   金沢美術工芸大学 教授
滝田総一郎 氏   日本船舶海洋工学会 理事(広報担当)

シップ・オブ・ザ・イヤー2012 選考経緯

「シップ・オブ・ザ・イヤー2012」には、大型貨物船部門に3隻、小型貨物船部門に1隻、小型客船部門に2隻、漁船・作業船部門に1隻、特殊船部門に1隻の計8隻の応募があった。これを受けて5月に技術専門家からなる予備審査委員会が開かれ、全8隻が本選考委員会に推薦され、6月17日の審査を迎えた。

選考は、学士会館(東京都千代田区)で日本船舶海洋工学会の一般会員も多数聴講する中、各応募船の熱いプレゼンテーションが行われ、続いて部屋を移して選考委員会が開催された。13名の選考委員のうち10名が出席、欠席の選考委員1名の事前投票と、会場でプレゼンテーションを聞いた一般会員による投票の最多得票船を1票として加算、満票で12票ということで審査を開始した。

事前の予備審査委員会での審査項目(技術の独創性・革新性、技術・作品の完成度、社会への波及効果、話題性・アピール度)の採点結果、およびコメントも参考にして選考が進められ、昨年と同様、まず全候補作品から最優秀作品一点をシップ・オブ・ザ・イヤーとして選定、その後、応募部門ごとに優秀な作品に対してシップ・オブ・ザ・イヤー部門賞を授与する選考方法とした。

最優秀作品一点の投票の結果、大型貨物船「SOYO(双洋)」と「M/V EMERALD ACE」が同数の得票を得たため、この2隻を対象とする決選投票を行った結果、主機掃気バイパスを利用する空気潤滑システムを世界で初めて実船に装備し、CO2削減効果を実証した大型貨物船「SOYO(双洋)」が7票を獲得し、見事シップ・オブ・ザ・イヤー2012の栄冠を手にした。

また予備審査委員会で「技術の独創性・革新性と完成度」が高く評価された海洋資源調査船「白嶺」について審議した結果、技術レベルと社会への貢献が高く評価され、2005年度の「ちきゅう」以来の技術特別賞を授与することを決定した。

続いて、各部門賞の選考を実施し、小型貨物船部門では、可変ピッチプロペラ及び2軸型電気推進システムを採用して省燃費を実現した「新進丸」、小型客船部門では、リチウムイオン電池を主電源とするプラグイン型電気推進を採用して低騒音・低振動・排気ガスゼロを実現した「あまのかわ」、大型貨物船部門では、太陽光発電システムとリチウムイオン電池によるハイブリッド型電力システムにより、停泊中ゼロエミッションを実現した「M/V EMERALD ACE」、漁船・作業船部門では、多目的漁労システム等を装備し革新的な洋上教育プラットフォームを実現した「かごしま丸」が、それぞれ部門賞に選ばれた。

選考委員長 平野 拓夫

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受賞作品紹介

シップ・オブ・ザ・イヤー 2012

  「SOYO(双洋)」
船舶における省エネ、CO2削減技術の研究開発が盛んに行われている中、本船は主機掃気バイパスを利用した空気潤滑システムを世界で初めて実船に装備し、船体の摩擦抵抗低減とCO2削減に成功した。船底の気泡流を利用して船体と海水間の摩擦抵抗を低減するこの空気潤滑技術は、従来方式では船底への空気投入に多大なエネルギーを必要とした技術課題を解決し、大宗貨物を輸送する喫水の深い大型外航船舶にも適用できる汎用のCO2削減技術として高く評価される。今後多くの船舶への適用拡大が期待される。
  「SOYO(双洋)」
 
船名
   …   SOYO
船種   …   ばら積み貨物船
船主   …   Collie Shipholding S.A.
建造会社   …   株式会社大島造船所
竣工年月日   …   2012年7月27日
LppxBxD-d   …   230m×43m×18.55m-12.98m
総トン数   …   50,872トン
速力   …   14.3ノット
主機   …   MITSUBISHI 6UEC60LSU 11,910kW
特徴的な構造・艤装品   …   主掃気バイパスを利用した空気潤滑システム

技術特別賞

  「白嶺」
我が国周辺海域に存在する海洋資源の探査・開発のため、多様な調査機能を装備した最新の海洋資源調査船である。浅海から水深6,000mまで対応できる2種類の大型掘削装置や多種のサンプリング装置、物理探査装置、海底観察装置などを搭載し、優れた推進・耐航・操縦性能により、効率的かつ安全な海洋資源調査や環境基礎調査を可能としている。これらを高度にまとめた技術レベルの高さと、社会への貢献が高く評価され、技術特別賞を受賞した。
  「白嶺」
 
船名
   …   白嶺
船種   …   海洋資源調査船
船主   …   独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構
建造会社   …   三菱重工業株式会社
竣工年月日   …   2012年1月31日
LppxBxD-d   …   101.0m×19.0m×9.2m-6.2m
総トン数   …   6,283トン
速力   …   15.5ノット
主機   …   主発電機2,450kW×4、推進用電動機3,200kW×2
乗員数   …   乗員70名
特徴的な構造・艤装品   …   大型掘削装置、サンプリング装置、物理探査装置、 海底観察装置、ムーンプール

小型客船部門賞

  「あまのかわ」
河川交通・観光における「クリーンで快適な船旅」をコンセプトに建造された、リチウムイオン電池を主電源としたプラグイン型電気推進船。低騒音・低振動、排気ガスゼロを実現し、快適性および、従来船にないデザインやライトアップが好評。次世代の旅客船の形式として普及することが期待される。
  「あまのかわ」
 
船名
   …   あまのかわ
船種   …   電気推進旅客船
船主   …   株式会社天路殿
建造会社   …   ツネイシクラフト&ファシリティーズ(株)
竣工年月日   …   2012年10月13日
LppxBxD-d   …   15.0m×3.2m×1.6m
総トン数   …   11トン
速力   …   約4ノット
主機   …   大洋電機TTS-200L 22kW
旅客数   …   旅客定員40名、船員2名
特徴的な艤装品   …   リチウムイオン電池、バウスラスター

大型貨物船部門賞

  「M/V EMERALD ACE」
自然エネルギーを利用してCO2削減を実現する方策の一つとして、太陽光発電システムとリチウムイオン電池を組み合わせたハイブリッド電力システムを搭載した世界初の自動車運搬船。航海中に太陽光発電した電力を電池に蓄え、停泊中にはその電力を使用することでディーゼル発電機を停止し、「ゼロエミッション」を実現することが可能となった。
  「M/V EMERALD ACE」
 
船名
   …   M/V EMERALD ACE
船種   …   自動車運搬船(PCTC)
船主   …   White Bear Maritime Limited
建造会社   …   三菱重工業株式会社
竣工年月日   …   2012年6月29日
LppxBxD   …   192m×32.26m×34.52m-9.7m
総トン数   …   60,154トン
速力   …   約20ノット
主機   …   MITSUBISHI 7UEC60LSU(P/U) 14,315kW
旅客数   …   乗用車6400台
特徴的な艤装品   …   太陽光パネル160kW、リチウムイオン電池2.2MWh

小型貨物船部門賞

  「新進丸」
内航船として初めての2軸型電気推進船である。船速制御に必要なインバータの代わりに可変ピッチプロペラ等を採用することで建造コストを抑え、推進効率を高めた船尾ツインスケグ船型等の採用により在来船と比べて約10%の省エネを実現した。
  「新進丸」
 
船名
   …   新進丸
船種   …   ケミカル&オイルタンカー
船主   …   株式会社日隆
設計/建造会社   …   有限会社不二設計/有限会社福島造船鐵工所
竣工年月日   …   2012年6月29日
LppxBxD   …   69.95m×11.5m×5.2m-4.7m
総トン数   …   749トン
速力   …   12ノット
主機   …   主発電機660kW×3
積載貨物   …   液体貨物1,793トン
特徴的な艤装品   …   ツインスケグ船型、2軸ラインシャフトCPP

漁船・作業船部門賞

  「かごしま丸」
大型練習船として初めて全旋回型推進器2基による電気推進システムを採用し,ジョイスティック操縦装置とともに優れた低速時操船性能を実現した。また最新の観測分析システム、マルチパーパス漁撈システム、船内高速LANなどを備え、次世代の洋上教育プラットフォームとして革新的な船である。
  「かごしま丸」
 
船名
   …   かごしま丸
船種   …   漁業練習船
船主   …   鹿児島大学
建造会社   …   新潟造船株式会社
竣工年月日   …   2012年3月30日
LppxBxD   …   58.8m×12.1m×7.0m-4.5m
総トン数   …   935トン
速力   …   13.65ノット
主機   …   主発電機937.5kVA×4
旅客数   …   乗員28名、教員学生44名、計72名
特徴的な艤装品   …   全旋回式電動推進器、マルチパーパス漁労システム
問い合わせ先
公益社団法人   日本船舶海洋工学会事務局
〒105-0012 東京都港区芝大門2-12-9 浜松町矢崎ホワイトビル
TEL:03-3438-2014   FAX:03-3438-2016
E-mail:office@jasnaoe.or.jp

Ship of the Year history

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