私は現在、当社の海外実務研修制度を利用して、ノルウェーの首都オスロに一年間の予定で滞在しています。今回は、私が滞在しているオスロを始めとするノルウェーの様子についてご紹介します。
日本の造船業界の方々にとって、ノルウェーは海運会社・船級協会・舶用機器メーカー・大学・オフショア関連などでなじみが深いと思いますが、ノルウェーの国についてはあまり知られていないと思います。
ノルウェーの国の規模を簡単に表すと、国土面積 38 万 km2、人口 450 万人、人口密度 11.7 人/km2、一人あたり GDP $40,000 となるそうです。分かり易く言うと、国土面積は日本とほぼ同じで、そこに福岡県の人口よりやや少ない程度の人々が生活し、そこで生み出す 1 人あたり GDP は世界第 3 位 (日本は 15 位ぐらい) となります。これだけでは十分な情報とはいえませんが、非常に穏やかで豊かな国であることがある程度想像できると思います。
こちらの公用語は当然ノルウェー語ですが、ほとんどの人が英語を話せるのには驚かされます。学校での英語教育だけでなく、子供のときからテレビなどで普通に英語を聞きながら育っているのも要因だそうです。日本人にとってはうらやましい限りです。
カールヨハン通りから見たノルウェー王宮[拡大画像] |
アーケシュフース城とQM2[拡大画像] |
ソグネフィヨルド[拡大画像] |
ベルゲンのブリッゲン通り[拡大画像] |
私はオスロ市内のアパートに住んでいますが、非常に静かで治安もよく、住み心地は最高によいところですが、税金が高いため物価が何でも高いことには閉口します。ノルウェー人は、日本は物価が高い国だと思っているようですが、私の感覚ではノルウェーの物価の方が、日本の物価より 5 割程度高いように思います。私はいつもノルウェー人にそう答えていますが、彼らは日本より物価が高いことにショックを受けるようです。
オスロの町は、オスロ中央駅からノルウェー王宮にかけて真っ直ぐに延びたカールヨハン通りという目抜き通りと、オスロ港に面したアーカーブリッゲというショッピングモール付近が最も賑やかなエリアですが、とくに船舶海洋関係の皆さんにお勧めしたいエリアは、対岸のビィグドイ地区というところです。ここには、ノルウェー海洋博物館、フラム号博物館 (ナンセンやアムンゼンが使った耐氷構造船の博物館)、ヴァイキング博物館などがあり、海洋国としてのノルウェーの歴史を学ぶことができます。
また、フェリーでコペンハーゲンやキールまでの船旅を楽しんだり、夏場はオスロから足を延ばして、フィヨルドやベルゲンへの旅行も楽しめます。私は乗船していませんが、ノルウェー西岸を航行する沿岸急行船というボートもお勧めだそうです。豪華なクルーズ船ではありませんが、のんびりと沿岸の諸都市を巡ることができるそうです。
11 月末現在、オスロ市内にはまだ雪は積もっていませんが、これからどんどん寒くなっていくと思われます。あるノルウェー人に言わせると「今年の冬は人生でもっとも暖かい冬だ」とのことですが、一年に 1〜2 度しか雪を見ることがない九州人にとっては「人生でもっとも厳しい冬」を迎えることになります。帰国予定の来年 3 月まで、何とかノルウェーの冬を楽しみたいと思っています。