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CABU (Caustic Soda / Bulk Carrier) の紹介

(株)大島造船所設計部
73,000DWT CABU
73,000DWT CABU[拡大画像]

大島造船所にて、2000 年より The Torvald Klaveness Group (ノルウェイ) 向けに建造した、CABU 船を紹介します。「CABU」という名称は、Caustic Soda および Bulk それぞれの頭二文字ずつを並べたもので、"苛性ソーダ" と一般的な "ばら積み" 両方の用途に使える貨物船、という本船の特徴を表しています。


CABU 概要

本船の外観は、通常のパナマックス・バルカーとほぼ同様ですが、この CABU 船の最大の特徴として、一般的なばら積み貨物に加え、苛性ソーダ (NaOH、液体) 55,000 トンの積載が可能です。全 7 倉の貨物倉のうち、偶数番の 3 倉 (2 番、4 番、6 番) は、ばら積みと苛性ソーダ積みの兼用倉です。


貨物倉

苛性ソーダ倉内の模式図
苛性ソーダ倉内の模式図[拡大画像]

苛性ソーダへの化学的耐性、および通常の物理的ダメージにも耐えうる、貨物の多様性に対応した塗装が要求されます。多様な積載貨物からのダメージを避ける目的で、これら苛性ソーダ倉内の塗装には、外国メーカーのエポキシ系・耐摩耗塗料を採用しています。

また、比重 1.54 の液状貨物である苛性ソーダを積載する本船は、通常のバルクキャリアよりも大きな荷重を受けます。その対策として、貨物倉には二重船側構造が採用されており、また、液状貨物のスロッシング対策にも十分に配慮した設計を行いました。

苛性ソーダ倉のハッチカバーは、特殊パッキンによる液体密構造で、さらに、倉内洗浄機を内蔵しています。


荷役装置ほか

苛性ソーダの荷役には、Framo (Frank Mohn AS) (ノルウェイ) 製の油圧式ポンプシステムを採用。最大 1,600m3/h を誇る大容量ポンプの採用と、苛性ソーダ用各貨物倉への独立配管方式により、ハンドリング所要時間の短縮を実現しています。

なお、2005 年に完工したシリーズ 5 番船 "BANATRY" では、新形式舵「大島ハイブリッド・ラダー」および「フリッパー・フィン」を新規に採用し、操縦性・推進性がさらに向上しています。


主要目

全長×幅×深さ225.0m × 32.26m × 18.90m
総トン数38,889 トン
載貨重量72,562MT
貨物倉容積85,062m3
苛性ソーダ用貨物倉容積37,207m3
主機関MAN B&W 7S50MC-C
連続最大出力13,960ps
定員27 名
船級DNV
船籍Marshall Island

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