常石造船で 2003 年に開発しました D/W58,500mt 型ハンディマックスバルクキャリア "TESS 58" を紹介します。TESS (Tsuneishi Economical Standard Ship) シリーズ の最新モデルで、開発以来現在まで内定を含み約 30 隻の受注に至っており、初船はフィリピンセブ THI 工場で本年 6 月末に起工する予定です。
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前世代 TESS 52 (中国秀山工場ブロック製作 1 番船)[拡大画像] |
本船の特徴は、パナマ運河可航制限幅を満足するだけでなく、従来の常石造船のハンディマックスバルクキャリア "TESS 52" (建造実績 73 隻、受注残 10 隻) と同じ全長 (約 190m) に抑えつつ、さらに約 12% も多くのカーゴを積載できることにあります。全長・船幅等の制約がある中で、カーゴ積載量・カーゴホールド容積を最大限確保し、ハッチの開口サイズを大きくすることで荷役効率の向上も図っています。
また本船は、当初から "環境への配慮" をコンセプトに掲げ、舵及び船尾骨材に省エネ付加物を設けることで燃費低減に努めています。さらに海上への油流出を極力回避するため、作動油がいらない電動甲板機、及びディーゼルオイルタンクの二重殻化を採用し、燃料油タンクは二重底に配置しています。
その他、前回紹介したカムサマックスバルクキャリアと同様に、本船にも 「工作上の造り易さを配慮した設計」、「作業環境安全性を配慮した船橋配置」、「非常用発電機室モジュール」 などを採用しています。
本船の主要目は下記に示す通りです。
全長 | 約 190.00m |
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垂線間長 | 185.60m |
型幅 | 32.26m |
型深 | 18.00m |
計画喫水 | 11.30m |
満載喫水 | 12.80m |
載貨重量 | 約 58,500mt |
主機 | MAN-B & W 6S50MC-C |
航海速力 | 約 14.5ノット (計画喫水にて) |
船級 | NK |
定員 | 最大 25 名 |