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セブ THI における自動車運搬船 (PCTC) 建造へのチャレンジ

常石造船(株)企画本部 下林敏郎

常石造船の海外工場 Tsuneishi Heavy Industries, (Cebu) Inc. (以下 THI) は、これまで何度かご紹介していますが、新しい情報を含め改めてご紹介します。

THI の様子
THI の様子[拡大画像]

THI はフィリピン群島の中央部に位置するセブ島西岸に位置し、1994 年に操業を開始して今年で 12 年目を迎えます。創業当時からの第 1 船台に加え、3 年前に新設された第 2 船台をもち、現在では年間ハンディマックスバルク 14 隻の建造が可能です。

これまで、DW23,000MT 型を皮切りに、DW28,000MT 型、DW45,000MT 型 (TESS45)、DW52,000MT 型 (TESS52) のバルクキャリア計 60 隻を引き渡しています。

品質・環境面では、常石グループ内の工場でいち早く環境 ISO14001 を取得し、先に取得している ISO9001 と共に、日本の他の工場と遜色ない工場へと成長しています。

セブ工場で建造予定と同型の PCTC
セブ工場で建造予定と同型の PCTC[拡大画像]

今年は、ハンディマックスバルクの新船型 DW58,000MT 型 BC (TESS58) に加え、新たな船型として 4,300 台積自動車運搬船 (PCTC) の建造にチャレンジします。この船は過去常石工場で建造された船と同型で、右舷中央と右舷船尾に車の Roll On / Roll Off 用ランプウェイを装備、接岸作業が容易なように船首部にサイドスラスター、また、背高車を積載可能なように合計 3 層のリフタブルデッキを装備しています。

今回の建造にあたり、フィリピン現地では馴染みの少ない船型ということで、型紙で部分的な模型を作ったり、常石本社へ現地担当技師を出張させ、修繕ドックに入ったPCTCを見学するなど、基礎知識を勉強するところから入りましたが、今までのバルクキャリア建造で蓄積された技術と経験を元に、フィリピンで初めての PCTC 建造へ向けて全社一丸となってチャレンジしています。

建造予定自動車運搬船の主要目は以下に示す通りです。

全長×幅×深さ170.0m × 32.20m × 34.80m
喫水15.07m
総トン数約 52,400 トン
積載車数約 4,300 台
主機関MAN B & W 7S60MC-C
連続最大出力14,120 kW
定員25 名
船級NK
船籍Panama
起工2006 年 6 月
進水2006 年 9 月
引渡2007 年 1 月

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