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建造船紹介 : 省エネ・省力型 RORO 船の開発・建造

尾道造船(株)設計部 佐藤弘史

現在、尾道造船は 47PC に代表されるプロダクト船を連続建造中ですが、10 年ほど前まではエバーグリーン社の大型コンテナ船を年に 4 隻のペースで建造していました。また、外洋フェリーの建造実績も 20 数隻あり、その第一船は遡ること 37 年前の琉球海運の「とうきょう丸」です。30 年前の沖縄海洋博の際には当時最新鋭であった 25 ノット型貨客船「だいやもんどおきなわ」(後のニューゆうとぴあ) も建造しました。また、厳しい SOLAS ルールを満足させた国際フェリーも 2 隻建造し、現在もなお、神戸〜天津、上海航路で現役です。こうした実績は 10 年前から RORO 船に受け継がれ、これまで全て琉球海運殿向けに建造してきましたが、このたび次期新船型として開発し現在、佐伯重工業で建造中の新型 RORO 船をここに紹介したいと思います。

省エネ・省力型 RORO 船「わかなつ」
省エネ・省力型 RORO 船「わかなつ」[拡大画像]

本船は「荷役時間を最短とする」というデザインコンセプトのもとに開発された省エネ・省力型 RORO 船で従来にない次の 3 つの大きな特長をもっています。

まず 1 点目は、世界で初めてのオートラッシング (車両固縛) 装置をシャーシ積みの車両甲板に装備し、乗組員による車両固縛作業の省力化とスピードアップを図っています。この装置は尾道造船で7年前から開発してきたもので、特許を取得し修繕船での 1 年間の耐久試験も終え、このたび本格的に装備するものです。

2 点目としては、従来船型のままで低速エンジンを搭載可能としました (特許申請中)。具体的には、乗り込み甲板の高さは岸壁の関係から従来船の高さ (D = 10m) のままとしながら、配置の工夫により背高の低速エンジンの搭載を実現しています (ちなみに、これまでの低速エンジン搭載船の実績は D = 12〜13m)。これにより、岸壁での汐待ちのタイムロスがなく、車両荷役のスピードアップに繋がります。

3 点目は、RORO 船でもっとも重要なポイントでもある積載効率 (船型と積載車両台数の関係比率) を最大限に高めた点です。本船は 40 フィートシャーシを 160 台 (12m シャーシ換算で 170台分) と乗用車 (RV) を 245 台積載可能で、従来の同船型より 12m シャーシで 15% ほど多く積載可能で、船主殿にとっては輸送効率の高い経済船型となっています。

最後に、本船は今月末に進水し、9 月中旬には沖縄〜東京〜大阪〜沖縄の航路に就航し、その RORO らしからぬ?優雅な姿を皆さんの前に披露できるはずです。

建造中のRORO船の主要目は以下に示す通りです。

全長×幅×深さ×喫水168.2m × 26.00m × 15.40m × 6.70m
総トン数約 10,300 トン
積載車数40F シャーシ 160 台
(12m シャーシ換算 170 台)
CAR (RV) 245 台
起工 / 進水 / 竣工2006 年 4 月 / 6 月 / 9月

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