今春も盛大に行われた「尾道みなと祭」を紹介します。
国宝の浄土寺多宝塔 (右奥)[拡大画像] |
尾道水道に面する住吉神社[拡大画像] |
尾道名物のべっちゃー太鼓[拡大画像] |
尾造チーム (右手前が筆者)[拡大画像] |
今年のグランプリ優勝チーム[拡大画像] |
「みなと祭」の起源について少し触れますと、この祭りはそもそも、初代の尾道町奉行で名誉市民第一号である平山角左衛門尚住を市民が奉賛する祭りとして始まりました。平山奉行は住吉浜埋立て築港の際、大変功績のあった人物で、その遺徳を後世にわたって讃えて行こうと平山神社に祀り、その祭典として「みなと祭」が始まりました。
「尾道みなと祭」の第 1 回目は今を遡る事 70 年前の昭和 10 年に始まり、戦時中の一時中断を挟み、昭和 22 年 (第 4 回) から再興して今年で 63 回目を迎えることができました。町を挙げての全市民的大イベントとして市民に親しまれている祭りでありますが、単なる観光イベントでなく、歴史と伝統、偉そうに言わせてもらえば他とは違う格式が、この「尾道みなと祭」には伴っていると思います。
祭りの最初に、国宝の浄土寺多宝塔の傍にある奉行の墓前で法要が営まれた後、平山神社を合祀する住吉神社にて神事が執り行われます。これが「みなと祭」の核の部分になります。当初、パレードやその他諸々のイベントはその余興といったところでしたが、現在では華々しい各種イベントの方がメインとなって、賑わいを見せています。
なかでも 5 年前に始まった創作踊り「ええじゃん SANSA・がり」は、市内の幼稚園児をはじめ、お年寄りまで幅広い年齢層の人が楽しんで参加しています。チームのなかにはプロ顔負けの踊りを披露するグループもあり、その振り付けは年々レベルアップしています。グランプリ賞の優勝争いは、毎年ハイレベルな勝負となり、観客の目を驚かせて祭りが最も盛り上がる部分となっています。
今年の参加人数は、過去最高の 5,600 人に上り、人出は 33 万人で、尾道最大の祭りとなっています。小生も入社以来、青年婦人部の一員として参加して来ましたが、残念ながら今一歩優勝には手が届いていません。でも、目標に向かって練習に励み、一丸となって成し遂げた後はイイ充実感がありました。社会人となっては、なかなか味わえない感動ではないでしょうか。どこか船造りに似ていますね。
みなと尾道の歴史と伝統の一頁に、時代と共に新しい息吹を感じながら、後々にまで誇り伝える祭り。「尾道みなと祭」はそんな祭りです。
みなさん、機会がありましたら一度、風光明媚な尾道を訪れてみてはいかがでしょうか。