呉市の最近のトピックスをひとつ紹介します。呉市の「大和ミュージアム」は全国区で有名になり昨年の開館以来多くの人が訪れていますが、そのすぐ近く (道路の向い側) に 2007 年 4 月オープン予定の「海上自衛隊呉史料館」が建設されています。ここには 3 階建ての展示室と連結して本物の潜水艦が屋外設置され、その内部を見学できるようになります。この潜水艦は 2004 年に除籍になった「あきしお」で、本プロジェクトにはいろいろな組織が関係していますが、当社呉工場で展示用にするためのいろいろな改造工事が行われ、 2006 年 9 月 25 日深夜に所定の場所に設置されました。
写真1 吊り上げられた潜水艦拡大画像] |
写真2 陸揚げ設置された潜水艦。どこにあるかわかりますか?[拡大画像] |
「あきしお」は全長約 76 メートル、重量約 2000 トンで、展示用に改造するために今年の 7 月に当社呉工場に入港、その後見学者用の入り口/出口の設置、内部の見学路の整備 (スロープの設置、一部装備品の撤去など)、照明・空調設備の整備、塗装などの工事を行いました。また展示場所への設置のための鋼製の架台 (他社で製作) を予めドック内に設置し、この上に潜水艦を載せて溶接接合し、その状態でドックから出渠、曳航して吊り上げ場所まで移動させました。
吊り上げには大型クレーン船が使われ、吊り上げたあと船体の水洗いなどを行いそのままの状態で一旦待機しました。その後、所定の時間に陸上に待機している特殊トレーラ (ドーリ) に潜水艦が載せられ、このドーリが道路を横断して史料館まで運びました。道路の縁石や信号機なども一旦撤去されました。約 2,000 トンもの大型重量物が深夜の一般道路を移動していくわけで、夜の 12 時すぎにもかかわらず多くの関係者や呉市民が集まりこの光景を見守りました (もちろん私もいました)。
呉工場の係留岸壁からこの潜水艦を見ることができますが (写真 2 参照)、今後は来年春の開館にむけて、潜水艦内の展示物の設置など最後の仕上げ作業が行われることになっています。「大和ミュージアム」と「海上自衛隊呉史料館」の両方が見れるとあって、いっそう呉の街を訪れる人がふえることが期待されます。みなさんもぜひ一度おいでください。