三菱重工業(株)長崎造船所は、昨年 (平成 19 年)、創業 150 周年を迎えました。今から遡ること 150 年前、時は正に幕末の安政 4 年 (1857 年) 10 月、我が長崎造船所は徳川幕府による官営の長崎鎔鐵所として設立されました。明治に入り岩崎弥太郎が政府から経営を引き受けて民営化され、以後、三菱の名の下で長きにわたりわが国の重工業界のリーダーとして、歩んできました。 | 150 年前、建設中の長崎鎔鐵所 [拡大画像] |
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明治 12 年竣工の立神第一 ドック (入渠中の船はロシア軍艦) [拡大画像] |
150 年前、建設中の長崎鎔鐵所 [拡大画像] |
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この間、戦前は「箱根丸」や「浅間丸」、「あるぜんちな丸」などの豪華客船、「武蔵」に代表される戦艦など当時の日本を代表する船舶を建造しました。戦後も復興期を経て、高度成長期には超大型タンカーの連続建造、その後のオイルショック不況期を乗り越え、現在では LNG 船や LPG 船などの液化ガス船、大型コンテナ船、自動車運搬船などの商船に加え、ご承知の通り大型クルーズ客船や地球深部探査船「ちきゅう」など、高い技術力を生かした船を建造しています。 長崎造船所では、船以外でも、発電プラントや舶用タービン・ボイラー、また最近では温暖化対策の目玉商品として需要高騰の風力発電装置や太陽電池など、総合重工業としての技術をいかんなく発揮した製品群を世に送り続けています。 創業日とされる昨年の 10 月 10 日、150 周年を記念して当所にゆかりの深いグラバー園での記念式典が行われ、また記念誌、記念品が作成、配布されるなどお祝いムードに包まれました。 150 年前というと、坂本龍馬や今年の NHK 大河ドラマ「篤姫」が活躍した時代、歴史を感じますが、その一員として現在長崎造船所で働いていることに誇りを持って、また次の 200 周年を目指し、我々も歴史の一員となれるよう頑張っていきたいと思う次第です。 なお、150 年の詳しい歴史や写真については、三菱重工業株式会社長崎造船所ホームページの「ウェブ版長崎ニュース 創業 150 周年記念号」に掲載されていますので、ご興味ある方は一度アクセスしてみてください。 |
現在の長崎港と三菱長崎造船所 (右中央部が立神工場、上方湾口が 香焼工場)[拡大画像] グラバー園で開催された記念式典 [拡大画像] 150 周年記念行事の一環として設置 された当所史料館への外部からの 専用門[拡大画像] |
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佐藤 功 三菱重工業(株) 長崎造船所 造船設計部 基本設計 |