8110 TEU 型コンテナ船「MOL CREATION」は三菱重工業(株)長崎造船所にて平成 19 年 6 月 29 日に竣工し、商船三井殿へ引き渡されました。本船は船主殿のコンテナ船隊の中で最大となる 6 隻シリーズの第1番船であり、就航後はアジア−欧州航路に投入されています。 本船の主要目は垂線間長 302m、型幅 45.6m、型深25m、総トン数 86,692 トン、載貨重量 90,678t、コンテナ積載個数 8,110 TEU、主機関最大出力 62,920kW、 航海速力は 25.25 ノットとなっています。 なお、本船は随所に最新の技術を採用しており、それらの概要は以下の通りです。 本船ではコンテナ船の大型化に伴う鋼板の厚手化による靭性低下の緩和を狙い、新日鐵(株)殿と共同で開発した、一般商船の船体用としては従来材と比較して 2 割程度強度を高めた降伏応力 47kgf/mm2 級鋼板 (47 キロハイテン) を世界に先駆け採用し、最も応力が大きくなる船体中央部の鋼板板厚低減を達成しています。 主機関には最新の電子制御となる三菱スルザー 11RT flex 96C を採用しています。電子制御の採用により回転数に応じた最適な燃料噴射制御を実現しており、NOx (窒素酸化物) や PM (煤塵) の排出抑制に高い効果が得られています。 推進性能については同クラスのコンテナ船と比べ小ぶりともいえる 11 気筒低速ディーゼル機関を採用しながらも、高効率の船型を開発し航海速力 25.25kt を達成しています。 貨物積載性能については比較的幅広な船型の採用および 47 キロハイテンの採用による軽量化 / 低重心化により、 実入りコンテナ数の増加及びバラスト水搭載量の低減を図り、運航経済性・利便性を向上させています。 また全ての燃料・油タンクを二重船殻 (ダブルハル) 配置とし、海洋汚染防止に配慮した構造としています。 以上の通り、本船は 47 キロハイテンをはじめとした種々の最新技術の投入により、環境負荷の低減と安全性の向上を高い次元で実現した最新鋭コンテナ船となっています。現在、就航後半年を経過していますが、就航実績は良好で、お客様からも高い評価を頂いております。 |
航走写真[拡大画像] 操舵室から船首方向を望む[拡大画像] 士官食堂[拡大画像] |
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燒リ 祐介 三菱重工業(株) 長崎造船所 造船設計部 基本設計 |