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次世代プロダクトタンカー「Mark III」の開発

尾道造船(株)尾道造船所設計部 佐藤弘史
Mark III (3D-CAD による立体 G.A.)
Mark III (3D-CAD による立体 G.A.)
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船は地球上で唯一、重いものを安く運ぶことが出来る、国際物流の要となる輸送手段です。近年、原油価格の高騰により船の燃料も値上げされ、輸送運賃の値上げから積荷である工業原料や生活物資までも値上げされてきています。船舶における省エネ運航は既に必須条件にまで高められ、当社もこれまで以上に環境問題に主眼をおいて開発に取り組んでいます。

尾道造船の次期ブランド「Mark III」(D/W 50,000T) はこれまでの「Mark I」、「Mark II」の実績を踏まえて、基本計画から4つのキーワード、「環境」、「安全」、「メンテナンス」、「オペレーション」を掲げて「地球にやさしい船作り」を目指しています。具体的には、「環境」面では省エネ運航に寄与する船尾フィン「OPF」(Onomichi Parallel Fin) や時化た海でも省エネ効果のある形状のバウ「OSB」(Onomichi Straight Bow) の開発や風圧抵抗の少ない形状のブリッジを採用しています。

また、「安全」、「メンテナンス」、「オペレーション」のそれぞれの面で、これまでの船主要望事項を全て見直し、要望の多いものについては「標準仕様」としています。さらに、乗組員に働きやすい住環境を提供できるよう、居住区全体のグレードアップを図っています。

今回の開発プロジェクトはベテランのデザイン力に若い人の感性を融合した形で進められ、3D-CADによる立体 G.A. (General Arrangement) の作成により、上記のブリッジの外観デザインなども開発されました。このほか随所に斬新なアイデアも盛り込まれており、これからも、こういった試みが本物の「おらが船」すなわち「尾造ブランド」の確立に結びつくものと確信しています。



佐藤弘史
尾道造船(株)尾道造船所設計部
基本計画、居室設計

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