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輸送機器環境工学プログラムの新カリキュラムについて

広島大学大学院工学研究科 藤本由紀夫
図1輸送機器環境工学プログラムの概要
図1:輸送機器環境工学プログラムの概要
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図2:プログラムのめざす教育
図2:プログラムのめざす教育
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以前、西部支部メールマガジン第7号 (2006/08/31 発行) に工学部第四類 (建設・環境系) の輸送機器環境工学プログラムについて紹介しましたが、今回はもう少し詳しく説明します。

輸送機器環境工学プログラムは、図1に示すように、輸送機器工学課程と環境共生システム課程を有し、陸・海・空を含めた地球圏の輸送機器および環境関連機器に関わる技術的諸問題に対して、総合的な取り組みを率先して行う能力を持つ技術者・研究者を育成しています。

具体的には、1年次の総合的な基礎教育、2年次の数学、力学、材料力学、流体力学、材料学、運動学基礎、システム設計工学、熱力学、自然環境システムなどの基礎力を培う科目を配置しています。

これらをベースとして 3・4 年次には、構造工学、環境・流体工学、システム・情報、輸送システムの専門科目群に加えて、実際のもの作り (計画・設計・製作・性能評価) を経験さる創成型プロジェクト科目群で構成しています。

図2に示す創成型プロジェクト科目群および関連する体験型科目は教育の柱の一つに据えており、以下に示すように多くの授業時間を組み込んでいます。

  • 輸送機器環境工学プロジェクト基礎 (2 年後期、必修、週 4 時間) : JIS に基づく機械製図の実習とその応用として CAD 設計製図
  • 輸送機器環境工学実験 (3 年前期、必修、週3時間) : 構造 (材料強度試験と梁の振動試験)、流体 (物体に作用する揚力・抗力実験)、制御 (直流モータの制御実験)、環境計測 (リモートセンシングによる環境計測実験)、工作実習 (工作機械実習と工作機械を用いた空気エンジン自動車の製作)
  • 輸送機器環境工学プロジェクト I (3 年前期、必修、週 6 時間) : 製図と製作実習を通じて実際の物との関係を体得させる。Lines 製図法、Hydrostaticcurves 計算法、航空機製図法、航空機任意設計製図、ラジコン製作と競技会
  • 輸送機器環境工学プロジェクト II (3 年後期、III とどちらか必修、週 4 時間) : 工学的手法を用いて制約条件下で計画的に物作りを実施。紙を材料として人が乗って走れる乗り物 (Paper Vehicle) を、少人数グループで共同設計・製作し、競技会で性能を競うとともに発表会で報告
  • 輸送機器環境工学プロジェクト III (3 年後期、II とどちらか必修、週 4 時間) : 前半は構造解析、流体解析について勉強した後、身近な材料を用いて風力によって発電可能なシステムを、数人程度のグループで共同設計・製作し、競技会で製作物の性能を検討
  • プロジェクトマネジメント (3 年後期、選択必修、週 2 時間) : 輸送機器環境分野におけるプロジェクトの進め方とものづくりの実状理解。造船産業、自動車産業、航空・宇宙産業、物流行政、船舶行政、人力飛行機分野におけるマネジメントの実際と工場見学会
  • 特別研究プロジェクト (3 年前期又は後期、選択必修、週 4 時間) : 成績優秀でやる気のある学生に限定して受講可とする、研究室毎の研究テーマに基づいた少人数の実習科目
図3:プログラム卒業後の進路
図3:プログラム卒業後の進路
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カリキュラムの詳細は輸送機器環境工学プログラムカリキュラムのページをご覧ください。

創成型プロジェクト科目と関連する体験型科目は、図 3 に示すように基礎科目で培った知識が大学院や社会でどう役立つのか見えるようにし、設計・製作することで要素技術の統合化を学ぶと同時に問題解決に何が必要かを考えさせる能力の養成、また、参加体験することでもの作りのおもしろさと難しさを学ぶことに役だつと考えています。

広島大学では、「ミエル (身につけた自分の力が見える)」、「ツナガル (大学院や社会につながる)」、「ツカエル (大学院や社会で使える)」をコンセプトとして、「HiPROSPECTS(到達目標型教育プログラム)」が平成 18 年度から開始されています。輸送機器環境工学プログラムは、輸送機器、物流システム、環境との共生を対象として、学生が積極的に参加できる「ミエル」、「ツナガル」、「ツカエル」教育を目指しています。



藤本由紀夫
広島大学大学院工学研究科
材料強度、信頼性工学、計測技術

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