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海外語学研修によるヨーロッパ滞在記

(株)新来島どっく技術設計本部基本設計部機電計画課 吉光寛晃

私は、当社の教育プログラムの一環である海外語学研修制度により、2008年3月から2008年9月までの約半年間、ロンドンを中心に滞在致しました。

図1:テムズ川に架かるタワーブリッジ
図1:テムズ川に架かるタワーブリッジ
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図2:ロンドンの象徴 ビックベンと国会議事堂
図2:ロンドンの象徴 ビックベンと国会議事堂
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図3:ロンドナーの足となるTUBE
図3:ロンドナーの足となるTUBE
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図4:ダブルデッカーバス
図4:ダブルデッカーバス
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図5:憩いの場所HYDEPARK
図5:憩いの場所HYDEPARK
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図6:ロンドン市内の並木道
図6:ロンドン市内の並木道
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図7:ロンドン市内を一望する
図7:ロンドン市内を一望する"
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2007年度から始まった海外語学研修制度も2年目に入り、私で4人目の研修員となりました。研修プログラムとしては、最初の3ヶ月間は朝から夕方までロンドンにある英語学校で、みっちりと英語漬けとなって英会話の基礎を勉強し、残りの3ヶ月は日頃からお世話になっている船主さんやエンドオーナー、ヨーロッパメーカーを訪問するといったものです。

7つの海を支配した大英帝国の中心であったロンドンは、現在においてもヨーロッパ経済の中心で、多くの金融機関や海運会社、船級協会などが集中しています。ヨーロッパ各地にもヒースロー空港から数時間で赴くことができ、いわゆるヨーロッパの玄関口と言ったところで、交通の便でも造船・海運関係者の研修地としては最適だと思います。今は4年後に控えたオリンピックに向けての建設ラッシュの状態で、至る所で建設中の建物を見ることになりました。

ロンドンの治安は比較的良く、特に危険を感じるようなことはありませんでした。危険と言われている場所を避ければ至って安全な町です。それでも、クラスメイトが鞄を置き引きされた時には、日本と同じように考えてはいけないと思いました。油断は禁物です。ロンドンで生活していると、外国人(私もその中の一人ですが…)の多さに驚かされます。ロンドン市民の人口の約50%が移民だそうで、観光客等の短期的な滞在者も含めると、殆どが外国人で構成されていると言っても過言ではありません。その為か、レストラン等の店員も、外国人慣れをしているので、少々の英語のミスは寛大に受け入れて貰えます。外国人だからという注目されるというストレスも無く、生活する上では快適な環境です。

ロンドンの交通網は非常に充実していて、TUBEと呼ばれる地下鉄や、有名なダブルデッカーバス(赤色の2階建てバス)、ブラックキャブ(黒タクシー)を利用することができます。バスは24時間運行していて、PUBと呼ばれる大衆呑み屋で帰りが遅くなっても、大丈夫です。寝過して最終駅まで行ってしまうことに注意。しかし、ロンドンの公共機関はくせ者で、色々なトラブルに巻き込まれます。バスが渋滞に巻き込まれたら、途中駅で乗客を降ろして帰ってしまいますし、エンジントラブルがよく発生します。TUBEは日本の電車に比べたら一回りも二回りも小さく、朝のラッシュ時には乗り込めないことが多く、エアコンが無いので、夏の時期には汗をダラダラ掻きながら通学していました。日曜日には運休ってことも日常茶飯事です。6ヶ月も生活していると、寛容になりましたが、渡英間もないころには日本ではありえない状況に随分苦労しました。

物価は恐ろしく高く、感覚的には日本の2倍から3倍です。500mlのコーラのPETボトルが約1ポンド。私が滞在していた頃は1ポンド210円前後。1ポンドが100円だと思って開き直らないと何も買えなくなります。食事に関しては、イギリス料理は不味いことで有名ですが、最近ではイタリア、スペイン、インド、アラブ、中華料理店が数多く、大きな問題ありません。フィッシュ&チップスも意外と美味しいですし、各国の料理を食べ歩いていました。ロンドンでは、小さな路地であっても名前が付いていて、AtoZと言われる地図は手放せません。私も滞在中はAtoZを鞄に忍ばせ、道に迷いそうになった時はチラッと覗いていました。

残りの3ヶ月は英会話の応用編です。北はノルウェー、南はモナコと合計すると10カ国、30社訪問させて頂きました。どの国もそれぞれ特徴がありますが、共通して言えることは、日本人はどこに行っても歓迎されています。パスポートコントロール(入国審査)で入国する際に、「コンニーチワ!」と愛想良く挨拶してもらえます。海外における日本の認知度が高い表れだと思いますが、資源の無い日本がヨーロッパ諸国に地位的に肩を並べていることに誇りを感じる瞬間です。またヨーロッパ諸国を訪問して思うことは、とにかく日本ほどきれいで清潔な国はないって痛感しました。街並みや自然は負けますが、地下鉄やバスの汚さ、駅の壁の落書きといったらすごいものがあります。若者たちは平気でバスや地下鉄の座席に足を乗せたりしています。疲れているから座席にはすわるものの、深く腰かけるのはちょっとご遠慮。マナーと礼儀正しさは日本人の誇りですね。

英語でしかコミュニケーションが出来ないので、伝えたい事を相手が分かってくれるまで根気よく、分からない単語は別の単語を並べて、とにかく発言することを心掛けました。当初は、1日中、休みなく英語で会話することは、非常に疲れましたが、5ヶ月目位になると、それ程意識をしなくても(正しい英語とは程遠いですが)、英語が出てくるようになりました。研修も終わりに近づいたある日、クラスメイトと二人で食事に出かけた時に、私の英語が数ヶ月前に比べて向上したと言って貰った時は、涙が出る位嬉しかったです。英語力が向上すれば、表現の幅も広がり、より豊かなコミュニケーション、ディスカッションができるので、これからも継続して勉強していきたいと思います。又、訪問先では、将来の展望などの生の声を聞き、自分自身の見聞を広めることができたと思いますし、日常茶飯事的に起こるトラブルを多く経験し、それを克服したことにより、大きな自信に繋がりました。今後もこの経験を生かせるよう頑張って行きたいと思います。



吉光寛晃
(株)新来島どっく技術設計本部基本設計部機電計画課
機械工学

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