1,500トンブロックの搭載状況 [拡大画像] |
居住区ブロックの吊上状況 [拡大画像] |
西部支部メールマガジン第16号で1,200トンゴライアスクレーンの据付の様子を報告しましたが、今回は実際に活躍している状況を紹介します。
当香焼工場には既に600トンゴライアスクレーンが2基あり、1,200トンゴライアスクレーンが仲間に加わったことで計3基のクレーンが稼動しています。1,200トンクレーンと600トンクレーンとの2基合吊りで吊り能力は1,800トンになります。また38年前に設置された600トンクレーンと比べて今回の1,200トンクレーンは、体重は減りましたが力は倍になっておりますので、ムダの少ない筋肉質仕様(?)になっています。
これまでエンジンルームで約1,500トン、居住区で約1,300トン、外板ブロックで長さ約90m(約1,200トン)など数々の大型ブロックを搭載し、ゴライアス3兄弟で力を合わせてその実力を存分に発揮しています。
ブロック同士を合体させて搭載ブロックを地上で大型化する(総組みすると言っていますが)一方で課題となってくるのは、総組ブロックの剛性確保と精度です。吊上げ能力以内であっても総組ブロックの形状、構造様式によっては吊上げ時の剛性を確保できない場合があります。また総組ブロック完成時に精度を確保しないと搭載時にピタッと合わなくなります。従って総組ブロックの範囲や吊り点位置を計画する時点ではブロックの重心位置、構造様式、強度などを十分考慮し、またブロック製作開始から総組までの工程ではブロックの精度を確保しながら作業を行っています。このようにして造り上げた大型ブロックをゴライアスクレーンで搭載している光景は壮観であり、船造りに誇りを感じております。
荒巻直樹 三菱重工業(株)長崎造船所香焼工作部生産計画グループ 生産技術 |