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ツネイシホールディングス(株)常石造船カンパニーの紹介

ツネイシビジネスサービス(株)総務部広報グループ 今井俊介

1) 常石造船カンパニーの概要

常石工場
常石工場
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ツネイシホールディングス(株)常石造船カンパニーは、ツネイシホールディングス(株)の造船事業の中核カンパニーです。広島県福山市の常石工場と香川県仲多度郡多度津町の多度津工場で貨物船の建造を行っています。また、海外の生産拠点として、子会社であるフィリピンの TSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES(CEBU), INC. と中国の常石集団 (舟山) 造船有限公司でも建造しています。四工場あわせた造船事業全体の売上は、2009年度実績で2070億円となります。

2) 常石造船カンパニーの歴史

常石グループは、1903年に初代社長神原勝太郎が海運業を興したことから始まります。造船事業は14年後の1917年に「塩浜造船所」として創業し、1942年に「常石造船株式会社」に改組されました。1958年からは鋼船を建造し、その後設備、技術とも大型化にも対応してきました。1976年に波止浜造船と業務提携を締結しました(その後2000年に合併し、多度津工場となりました)。

1980年代に入ると、国際市場を視野に入れ、低コスト、低燃費で多種類の積載貨物に対応する標準船を開発し、Tsuneishi Economical Standard Shipの頭文字をとって「TESS」と名付けました。載貨重量4万トンのTESS40が1984年に竣工すると、マーケットニーズを先取りした設計が評判になり、造船不況と言われていた時代にもかかわらず発注が続き、1999年にはシリーズ通算100隻目を引き渡しました。現在では、載貨重量トン5万8000トンのTESS58を建造しています。

1990年代以降、海外展開にも力を入れました。1992年に設計会社であるTSUNEISHI TECHNICAL SERVICES (PHILS.), INC. 設立を皮切りに、1994年にはTSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES (CEBU), INC. を立ち上げ、今ではケープサイズのばら積み貨物船を建造できるまでに成長しました。中国へは、2001年の常石(鎮江)鋼装有限公司設立を足掛かりに、浙江省の舟山群島に造船工場を作りました。2007年に常石集団 (舟山) 造船有限公司を設立し、本格的に建造を開始しました。

競争が激化する造船、海運業界において、より迅速な経営判断と効率的な事業運営を行うため2007年にグループ11社と統合しツネイシホールディングス(株)となり、常石造船カンパニーは造船事業の中核カンパニーとして位置付けられています。

3) 商品概要

弊社は、ばら積み貨物船を中心に、オイルタンカー、木材チップ専用船、自動車トラック専用船などを建造しています。

  (1) ばら積み貨物船

    鉄鉱石や石炭、穀物などを袋などに入れずそのまま搭載するばら積み貨物船では、5万8000トンの「TESS58」、8万2000トンの「KAMSARMAX」、18万トンの「T-CORE180」の3種類のラインナップがあります。弊社の中型ばら積み貨物船は、世界シェア1位(1998-2008年)を記録しました。

  (2) 木材チップ専用船

    ばら積み貨物船の一種ですが、鉄鉱石などに比べ比重の軽い木材チップを搭載する専用船で、全長199mの360万CF型を建造しています。上甲板にコンベアなど荷役装置を搭載しているのが特徴です。

  (3)オイルタンカー

    原油など液体を運ぶ貨物船で、現在主にアフラマックス・タンカーと呼ばれる10万7500トンのタンカーを建造しています。

  (4)自動車トラック専用船(PCTC)

    自動車やトラックを運ぶ専用船で、現在建造している5100台積のものを建造しています。内部は12層の立体駐車場のようになっています。

4)技術開発

地球環境の保全は、世界的な課題の一つです。弊社ではCO2などの温室効果ガスの排出量を削減するため、様々な技術開発を行っています。

その一つが「MT-FAST」です。スクリューの前に複数の翼を付けることで、推進効率が約4%向上します。現在建造されている船のほとんどの船に装備されています。

また、陸上プラントなどでコージェネレーションの一部に活用されている吸収式冷凍機をベースに、舶用吸収式冷凍機を海運会社や冷凍機メーカーと共同開発しました。代替フロンを使わないので地球温暖化防止に大きく貢献するほか、主機から出る廃熱を熱源としてCO2の排出量を年間約77トン削減できます。このほか、風圧低減居住区、波の抵抗の少ない船首形状の開発など、技術を通じて地球により優しい商品作りに取り組んでいます。



今井俊介
ツネイシビジネスサービス(株)総務部広報グループ

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