![]() ボーキサイト [拡大画像] |
![]() カムサール港@ギニア共和国 [拡大画像] |
当社建造船「KAMSARMAX BC」は、今や業界内ではDW 80,000tonを超える大型PANAMAX船型の総称として定着しつつあるほどの爆発的ヒット商品です。日本船舶海洋工学会「KANRIN」年鑑にKAMSARMAX BCの紹介を予定しておりますので、今回はその由来となったアフリカ・ギニア共和国のカムサール港を簡単にご紹介します。
ギニア共和国のボーキサイト輸出量はオーストラリアに続く世界第2位の量を誇り、金やダイヤモンドなども採掘される世界屈指の鉱物資源大国です。カムサール港はアフリカ西岸・ギニア共和国の首都コナクリの北(コナクリから車で6時間半の距離)に位置するアフリカ最大のボーキサイト積み出し港です。
ボーキサイトはアルミニウムの原料となる赤褐色の鉱物で、このボーキサイトを精製し、アルミナ分を抽出した後、アルミナを電気分解することで、アルミニウム地金を製造します。ボーキサイトは鉱山から港まで、直接列車で運ばれ、1日4便カムサール港に入ります。港湾のヤードには常に約200,000tonほどのボーキサイトがストックされています。
さて、カムサール港は写真にもあるようにバースは陸上から遠く離れています。バースと陸を繋ぐ道路上には長さ約1.6kmのベルトコンベアがあり、これによりボーキサイトを運びます(海上のバースが陸からは霞んで見えることもある?!)。
海上のバースはPANAMAX (DW 60,000ton〜80,000ton) クラス貨物船用、さらに、DW 30,000ton 程度の貨物船用、小型船、タグボート用と3箇所あり、特にPANAMAXクラスのバースの長さは279mで、最大船長229mの船舶まで受け入れ可能となっています。
荷役設備としては、165.0m travel/21.0 m outreach、4,500ton/hour の能力を持つ1基の SHIPLOADER があり、PANAMAX クラスの船舶であれば、荷役には約1日かかる程度です。
KAMSARMAX BCはこのカムサール港に入港できる最大船型として全長を229mとした DW 80,000tonを超えるパナマ運河を通航できるBULK CARRIERで、当社が最初に開発し、合計受注数170隻と爆発的ヒットを記録中です。この爆発的ヒットのきっかけとなったのが、褐色の地、アフリカ・ギニアのカムサール港に目を付けたことだったのです。
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石川 倫浩 ツネイシホールディングス(株)常石造船カンパニー 商品企画部船体計画グループ |
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