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バルセロナ・スーパーコンピューティング・センター滞在記

広島大学大学院工学研究院エネルギー・環境部門 中島卓司
研究生活を送っているカタルーニャ工科大学の建屋の前にて
研究生活を送っているカタルーニャ
工科大学の建屋の前にて
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Marenostrumが設置されているChapel Torre Gironaの玄関
Marenostrumが設置されている
Chapel Torre Gironaの玄関
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現在、私はスペイン・バルセロナのカタルーニャ工科大学に併設されているバルセロナ・スーパーコンピューティング・センター (頭文字をとって「BSC」と呼ばれています) に6カ月間の研究留学に来ています。これは、日本学術振興会による「組織的な若手研究者等海外派遣プログラム (若手研究者大航海プログラム)」の一環である、広島大学の「サステナブル社会の実現に貢献する自然科学系国際的若手研究者の育成プログラム (理工農系)」によって派遣されたものです。派遣先では理工学応用部門のHigh Performance Computational Mechanicsチームに所属し、スーパーコンピュータを使った数値流体解析 (CFD) 技術に関する研究に取り組んでいます。

派遣先のBSCは計算機センターですので、所属する研究者の方々は様々な分野のコンピュータシミュレーションに関する研究に取り組まれていて、流体力学と情報工学と社会科学の研究者が一つの部屋に机を並べて研究しているような非常にユニークな研究所です。また、特に南米などスペイン語圏からの海外留学生も多く、国際的な雰囲気の中で研究生活を送らせていただいています。実際、カタルーニャ工科大学の博士課程の学生は4割以上が海外からの留学生だそうです。日常生活では皆さんスペイン語を使われるのでやはり言葉の壁がありますが、センターの人々は学生や職員の方々も含めて、皆私よりも遥かに流暢に英語を話してくれますので、研究に関しては問題のない生活を送ることができています。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、BSCには "Marenostrum" (ラテン語で「我らの海 (=地中海)」という意味だそうです) という名のスーパーコンピュータがあり、写真のような礼拝堂の中で稼働しています。普段の研究活動はカタルーニャ工科大の近代的な建物の中で行っていますが、そこから古い礼拝堂の中にあるコンピュータを使って研究しているかと思うと、少し不思議な感じがします。礼拝堂ということで、叶うことなら私の今後の研究成果にも神の御加護があればよいのですが。

礼拝堂の中で稼働するスーパーコンピュータMarenostrum
礼拝堂の中で稼働する
スーパーコンピュータMarenostrum
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私が研究のため日本から持ち込んだCFDプログラムは、派遣当初からMarenostrumでも上々の効率で動作してくれましたが、やはりホームアドバンテージがあるのか、それとも私が地中海ではなく瀬戸内海に親しんだ人間だからか、あと一歩こちらのセンターで開発されたプログラムには及びませんでした。そこで所属チームをはじめBSCの研究者の方々の協力のもと、大規模並列型のスーパーコンピュータをより効率良く使いこなせるよう、プログラムの分析と改良に取り組んでいます。また、これと並行して、スーパーコンピュータを使ったより大規模なCFD解析を行う際の、乱流物理モデルや数値手法の性能評価とその改良についても、彼らと共同で研究を進めています。

最後になりましたが、私を快くこの留学に送り出してくださった土井康明教授、陸田秀実准教授をはじめ広島大学大学院輸送・環境システム専攻関係者の皆さま、私の滞在を快諾してくださったMariano VxJ★quez先生をはじめBSC関係者の皆さま、そして、この海外派遣プログラムを運営・実施されている広島大学ならびに日本学術振興会関係者の皆さまに厚く御礼を申し上げて、本稿の終わりとさせていただきたいと思います。「彼らの海」での大航海が成功裏に終わるよう、残りの派遣期間も研究と交流に精一杯努めたいと思います。



中島卓司
広島大学大学院工学研究院エネルギー・環境部門
数値流体力学

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