オーストラリア出港時の様子 [拡大画像] |
2011年2月23日、弊社舞鶴事業所よりPanamax BC "KEY FRONTIER"号が引渡されましたが、4月1日より40日間、本船の2次航海に乗船させて頂く機会を得ることが出来ました。乗船の目的は、荷役オペレーションや船内のメンテナンス作業の見学・調査と船内での生活を体験することでした。
本船の2次航海は日本−オーストラリアの航路で石炭を運搬するというものであり、乗船早々に日本での揚げ荷作業を見学させて頂きました。荷役の手順や港湾関係者とCaptain・Officerとのやり取りなども間近で見ることが出来ました。その後、本船は日本(Tokuyama)を出港し、太平洋を南下しました。航海中、周囲は青い海のみ、船員とのコミュニケーションや船内作業の見学など、今まで経験したことのないことばかりであり、とても新鮮でした。初めは船員と英語でのコミュニケーションに戸惑うこともありましたが、徐々に打ち解け仲良くなることが出来ました。船員との会話では挨拶や雑談だけでなく、船の装置や仕様、居住環境などに関して貴重な意見や希望を聞くことが出来、とても有意義でした。
オーストラリア(Newcastle)に到着すると船内は荷役作業で慌しくなり、オペレーションのトラブルも無く無事に荷役作業が終えることが出来るのか不安に感じていましたが、夜通しの荷役を予定通り終え、Chief Officerより船の仕様に関して"Good"といって頂けた時は、船を造る仕事に改めてやりがいを感じました。本船はその後、再び太平洋を北上し、日本(Higashi-Harima)で石炭の荷降ろしを行い、荷役終了後に下船しました。
航海は約1ヶ月でしたが、普段の業務では経験出来ないことばかりでした。特に荷役やメンテナンス、点検などでは実際の作業を見て、船を設計する上で参考になることが多くありました。また、船舶の運営や船上での生活環境、船員とのコミュニケーションなども貴重な経験となりました。今後は乗船体験を通じて得たことや経験したことをこれからの設計業務に活かしていきたいと思っています。
吉岡勇貴 ユニバーサル造船(株)津事業所設計部船装設計室船装チーム 船装設計 |