筆者が釣ったアオリイカ (その1) [拡大画像] |
筆者が釣ったアオリイカ (その2) [拡大画像] |
佐世保造船所は毎週水曜日が定時の日である。昨年の秋、会社の仲間と水曜日の仕事帰りにそのまま釣りに行くのが私の中でブームになっていた。
狙いは "イカ"。正しくは "アオリイカ" と呼ばれるこのイカは、近年流行の海ルアーの格好のターゲットである。餌木と呼ばれる疑似餌を使う釣り方は "エギング" と呼ばれている。仲間である先輩の一人がこの釣りの魅力にハマり、その面白さを仲間に吹聴したことから二人、三人と広がっていった。ちなみに私は四人目である。
本当は最初に誘われたのであるが、以前から釣りをしていた私は、海は "クロ"(メジナ)、淡水はブラックバスとこだわりをもっていたため第三の魚種に挑戦することは敢えて避けていた。魚種を増やせばそれに対応した釣り道具が必要であること、大人の趣味としてある程度良い道具を使う必要がありお金がかかってしまうからである。しかし今回のメルマガの記事執筆の題材とすることをきっかけに、この "イカ" の世界に足を踏み入れることを決断した。
デビュー戦の日、半信半疑で専用の道具も用意していなかった私はブラックバス用の竿とリールで挑戦した。疑似餌のエギを先輩から借り海に向かって投げてはみたもののエギの動かし方が全く分からない。一度エギが海底に沈むまで待てと言われても、日没後は糸が見えない。しばらくしてもう着底しただろうと思い、横の仲間の見よう見まねで竿をしゃくってみるが要領を得ない。その日は完敗に終わった。
一週間後、第二戦となる防波堤に上がる。前回同様釣れるのか?と思いながらひたすら投入してはしゃくりを続けていた。今日もダメかなと思った次の瞬間「ん?」という感じがした。しまった!根がかりか?と思ったもののリールは巻けている。長靴かヤカンだろうなと思いながらも、もしかしてと思い慎重に巻き続けると海面から茶色い何か上がってきた。上がってきたのはターゲットである"アオリイカ" だった。これが私と "アオリイカ" との最初の出会いであった。
最初の一歩を踏み出し歯車が回りだしたその日は、ミニサイズながらも5ハイを追加し最高の一日を堪能した。持ち帰ったイカは、刺身、天ぷら等で食し家族も大変喜んでくれた。この瞬間がとても誇らしく最高であった。メジナもおいしいがウロコがある魚は調理が大変である。その点でもイカは好評を博した。
ビギナーの私が6ハイ釣ったことが刺激になり、いつの間にか仲間内で競争が始まった。インターネットで情報を集める者、雑誌やDVDを観る者、ついには夜釣り遠征をする者まで現れた。
アオリイカは、秋は数釣りのシーズン。さらに腕を磨き、大型が釣れるといわれる春を目指し我々の水曜日の挑戦は続く。
川島康弘 佐世保重工業(株)造船設計部機関設計課 機関設計 |