大氣圏のあご出汁ラーメン [拡大画像] |
ラーメンというものは、ほとんどが豚などの肉類から出汁をとるので脂っこい味になってしまう。つまり、ラーメン=脂っこい食べ物と考えるのは当然であり、筆者も佐世保市であご出汁ラーメンに出会う前はそう思っていた。あご出汁ラーメンとは、「あご (飛魚)」を出汁としたスープのラーメンで、発祥の地は長崎県平戸市生月町 (いきつきちょう) である。
ところで、なぜ「飛魚」のことを「あご」と呼ぶのか御存じだろうか?この「あご」という呼び名は「ホントビウオ」という飛び魚の学名である、Cypselurus agoo agoo (キプセルルス アゴ アゴ) に由来するという説と「あご」が落ちるほど美味しいという説があるようだ。
この魚は主に島根県・兵庫県の特産品でもあるが、生月町でも漁は盛んに行われている。炭火で焼いた「焼きあご」を昔から味噌汁や雑煮・うどん等の出汁に利用していたが、1991年の生月大橋開通を機に、「焼きあご」をラーメンの出汁に使った「あご出汁ラーメン」の店が相次いで営業を始め、今では生月町の名物の一つになっている。
今回、「大氣圏」という、1992年に生月町にて開店した国内初のあご出汁ラーメン店に車を走らせた。開店と同時に大気圏に入り、早速、あご出汁ラーメン (写真) を注文した。 写真の通り、スープは透明で、油臭くなく、さっぱり味。ラーメンのスープというよりも魚の出汁という感じであった。とても出汁が効いていたので、惜しむことなく沢山のあごが使われているのだろう。このスープは貴重だと思い、ドンブリの底の最後の一滴まで、香辛料ごと飲みほした。間違いなく、筆者が今まで食べたラーメンの中で一番美味しかった。是非、みなさんも機会があれば食べてみて下さい。
種川啓太 佐世保重工業(株)造船設計部船装設計課 船装設計 |